ドラマの見方、選び方。 | ブラウンの熊たち

ブラウンの熊たち

ブラウン大学在学中の日本人学生(熊たち)がブラウン大学のクレイジーな日常生活をあなたに届けるぜ!


アメリカ留学ってどんな感じですか。
ブラウン大学ってどんな感じですか。


みたいな質問をよく受けるんですが、
「あまり日本で生活しているのと変わりませんよ」
と答えることにしている小谷篤信(21)です。

先週まであったかかったプロビデンスも段々さむーくなってきて
ココ最近は半袖半ズボンで生活はできず、毎日セーター長ズボンで生活です。

当たり前のことかもしれないけれど、
教科書を読むとき、パソコンに向き合うとき、ペンを走らせるとき。
全部まとめて勉強しているとき。
僕はどこにいるかというと、頭の中にいます。
頭の中の概念と概念が飛び回る小宇宙的な世界で、小谷は考え、悩み、戦います。
でもこれって、僕の中に広がっている世界であって、ある種携帯可能な領域なわけです。

だから、いくら体がアメリカにあろうが、ブラウンにあろうが、
考えているとき、勉強しているとき、僕は僕の中にいます。



どんな感じか例をあげると、テレビドラマを見ているときや小説を読んでいる時、
頭の中で主人公の行動や心情を追体験していると思います。
つまり、感動するときは感動するし、悲しい時は悲しい、と思います。

テレビドラマに熱中すればするほど、「今私は自分の家にいてソファに座っている」みたいな
場所情報なんて頭から離れていって、ほぼ気にしないレベルまで到達するはずです。

だからドラマを熱心に見たり、本を読んだりするとき、頭の中にあるのは
「今後の物語の展開への期待」
だけじゃないでしょうか。


僕はまさにそんな感じで勉強しています。
だからペンを握っているとき、キーボードを叩いているとき、
自分はどうもアメリカにいるような気がしないのです。

いつもの心地よい空間で泳いでいるだけだから。うにょ~ん。


僕、小谷にとって、勉強はドラマをみることに似ています。
授業だって毎回内容があるし、それは前回からの内容を引き継いだものかもしれません。
ちょっとずつ内容を理解しながら押し進めていくことで全体像をつかむことができるようになり、
理解が深まっていきます。

だから僕の勉強する上で一番のフォーカス、つまり僕が一番意識を割いているのは
『どれだけドラマを楽しんで見れるか』ということです。
簡単そうに聞こえますが、そのためにはいくつかのコツが必要です。


まぁまず最初に面白いタイトルのドラマを見たいですよね。
Designing Human Centered Robotsというクラスを今学期とっていますが、
名前からして面白そうだな、と思いました。
加えて帯やパッケージにも目を通しておくべきです。

This is a new course jointly offered by Brown’s Computer Science department and RISD’s Furniture Design department under the auspices of the Humanity Centered Robotics Initiative. It is focused on the iterative design process and how it can be used to develop robots for solving tasks that help people. It will expose students to a suite of fabrication and prototyping technologies sufficient for creating a functioning robotic system. 

ふむふむ。
で、ここで僕が大切にしているのは
「どうして自分がこのクラス(ドラマ)を取る(見る)べきなのか、考える」
ということです。

このクラスは12人のスポットに100人以上応募したので
生徒は志望動機を1段落に収めて教授にメールで送ることになりました。
で、実際に僕が送ったのは以下の文です。意訳多めですが許して…


If you spend a minute looking at my webpage (http://www.atsunobukotani.com), you will see what is going on inside my head.
もしちょっと僕のウェブサイトを覗いてくれたら、それだけで僕の頭の中でどんなことが起こっているのかわかると思います。

Although I am concentrating in CS, I don’t consider myself as a typical CS student because I have a very strong background of visual art and design.
確かに僕はコンピュータサイエンス専攻ですが、僕は自分が、単なる普通のコンピュータサイエンス専攻の生徒だとは思っていません。なぜなら、僕は今までアートとデザインと共に生活してきたからです。(意訳だけど許して…+ちょっと中略入ります)

...(中略)... By the end of my freshman year, I started to think how I can utilize and maximize my creativity in order to help the society. My solution to the question was to study Computer Science. 
...(中略)...
ブラウンの一年目が終わるまでの間、僕はどうしたら社会貢献のため、自分の創造性を最大限に活用できるか考えていました。僕のその問いへの答えはコンピュータサイエンスを勉強することでした。ー中略ー

My goal as a student at Brown is to combine my creative thinking with my knowledge in computer science. 
ブラウン大学の生徒としての僕のゴールは自らのクリエイティビティとコンピュータサイエンスの知識を融合させることです。

There are many interesting courses here at Brown, but none currently teaches me how to connect the two different worlds, except this course.
 
ブラウンには素晴らしいクラスがたくさんありますが、今現在この2つの全く異なる世界をどうやったら繋ぐことができるか、教えてくれる授業はありません…このクラスを除いて。

Thus, I simply need your help to achieve my goal.
だから、僕はただ単純に、自分のゴールに到達するために、あなたの助けが必要です。

...(中略)... I am very serious about my learning, but I am always willing to enjoy my process.
僕は今、自分の勉学にとても真剣に向き合っているけれど、いつもこのプロセス、過程を楽しもうと思っています。

I promise you to bring my creativity into the class and to exceed your expectations every day, because I know that is my role as a student of Brown University.
あなたの授業に僕はクリエイティビティーを持ち込んで、毎日あなたの予想を超えることを約束します。
なぜなら、私は、そうすることこそが、ブラウン大学の生徒としての自分の役割だと確信しているからです。

***

一段落なので短くまとめなきゃいけないんですが、自分が心から思っていることを書きました。
メールの送信ボタンを押すとき「僕のことをとってください!」とは微塵も感じていませんでした。
この文章と内容でクラスに入れなかったら、僕はそれでいいと思っていました。
でも僕は自分がクラスに入るべきだと思っていた。だから神頼みもしなかった。

ただ純粋にこのドラマを見届ける義務があるように強く感じたからです。
もちろん、感情論ではありません。ちゃんと考えた上で、そう思いました。

「どうして自分がこのドラマをみるべきなのか/見なくてはならないのか」
それにちゃんと答えることができなければ、ドラマにのめり込むことはできない。

興味があるから。なんとなく今後役にたちそうだから。
それでドラマを見ることができたら、それはそれでいいんじゃないか、
という人がいると思うけれど、僕は個人的にそういうことはしない。

そのドラマが一体自分の何を変えて、自分にどんな影響をもたらしたのか。
そして、その過程で、1話1話どんな変化があったのか。
そんな過程を楽しみたいと思うから。
ただ流しっぱなしのテレビに一体なんの価値がある?


興味のないドラマだけど、ちょっと見てみよう。とか、
あの人がオススメ、と言っていたからみてみよう。とか。
それはそれでいいのかもしれないけれど、
その前になんで自分が今までそれに興味をそそられなかったのか、
なんで自分が今これに興味をそそられるようになったのか、
これを見ることは自分にとって一体どんな意味をもつのか。

それを正直に答えられるようになってからパッケージをあけたい、と僕は思うし
僕にとってそれが教育された人間の振る舞い方です。まず観察を怠らない。


勿論、教育された人間が他より優れているなんてことはないと思います。
僕の「教育された人間」の定義は僕個人のもので誰のものでもありません。
別に絶対的指標もなければ、ぶっちゃけそんなのダサいと思う人もいるかもしれません。

でもそれでも僕は教育された人間になりたいし、これは僕の僕だけの決断です。

誰にも邪魔されない、自由な領域での話。

そんな感じで話は終わります。


さて、みなさんは来週からどんな風に授業を受けますか。
どんな心構えで就活にとりくみますか。どういう意識で働きますか。


どんなドラマを繰り広げるんでしょうか。

僕にはほぼほぼ関係のないことです。



でも。
良い日になるといいですね。



小谷でした。


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