Q&A1611 もう1回採卵した方が良いですか? | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 去年、37歳(AMH 2.0)で自然妊娠しましたが、9週で稽留流産し、その後妊娠しなかったため、今回38歳で初めて体外受精と顕微授精のスプリット法を行いました。結果は、採卵12個、未熟卵4個、胚盤胞3個(3AB=体外, 3AC=体外, 3CC=顕微)、分割胚2個(10分割G2=顕微、8分割G2=顕微)でした。

①今回の凍結胚を移植する場合、3AB単独 > 3AC+8分割G2 > 3CC+10分割G2になるかと思いますが、それぞれの妊娠出産確率はどの程度でしょうか。
②子供は2人ほしいのですが、次のステップは、採卵か移植か、どちらが望ましいでしょうか。まずは移植が良いでしょうか、それとも、40歳以降になると染色体異常の確率が高くなるということで、38歳の凍結胚を使えば40歳以降でも第二子のリスクは低く抑えられますでしょうか。
③これから2人妊娠するためには、胚盤胞・分割胚はそれぞれ何個ぐらい必要でしょうか。

A 極めて回答が難しい質問です。クリニックによって、妊娠率に大きな違いがあるためです。したがって、以下の記載は当院で実施した場合を想定して記載します。

①臨床妊娠率(胎嚢確認率)の目安はおよそ、下記となります。

3AB単独:50〜55%

3AC+8分割G2:45〜50%

3CC+10分割G2:30〜35%

②上記の確率から、お子さん2人をご希望でしたら、採卵を推奨します。採卵した時の年齢が重要であり、移植時の年齢は妊娠率にはほとんど影響しません。

③上記の確率から、今回と同じものが採卵できたとして、もう1回分の採卵が必要だと思います。