ピピウが生まれてから1年。
去年の今頃は大変だったものの、まだ事の重大さに気づいていませんでした。
ピピウが生まれた日から、私たち夫婦の人生は変わりました。
子供が生まれたら生活スタイルが変わるであろうことは妊娠中から想像はしていましたが、ピピウの誕生は生活スタイルだけでなく、私達夫婦の様々な価値観も変えました。
NICUにいた時間は7ヶ月。
色々な人と出会いました。
色々な命のドラマを見ました。
人の優しさに触れたこともあれば、人の冷たさに幻滅したこともありました。
でも、素晴らしい人達と出会えた、素晴らしい人たちだと再確認できたことのほうが大きかったです。
26週、1000gで生まれ、未熟児というハンデだけでなく、腸閉塞による小腸大部分切除で短腸症候群になったピピウ。
1歳になるまでに開腹手術6回、他にも小さな手術(処置)を入れれば、手術室に入ること13回。
"どうしてうちの子なんだろう"
"なんでピピウがこんな目に合うんだろう"
と思っていました。
もう二度とあんなに怖い思いはしたくはありませんが、2017年のNICUでの経験は私たち夫婦にとって無駄ではなかったと思います。
あの経験がなければ、一生気づくことがなかったであろう大事な事に気付き、多くの素晴らしい人達と出会うことができました。
この一年、いっぱい泣きました。
絶望して泣き、起きた奇跡に感謝して泣きました。
ピピウが今生きているのは、多くの人たちのおかげです。
私とダンナはピピウをこの世に送り出しました。
でも、その命は予想よりずっと小さく、弱く、生まれてすぐに消えかかりました。
その消えかけた命を一生懸命つなぎ止めてくれたのが、Careggi 病院と小児総合病院Meyer のNICUスタッフたちです。
子に命を与えるのが親だとするならば、ピピウの親は私たち夫婦だけでなく、NICUスタッフたちもピピウの"親"だと言えると思います。
NICU入院中、ドクターに「私たちは奇跡は起こせない」と言われました。
きっとそれは真実だと思います。
ドクターにも、看護師にも、その他のスタッフにも奇跡は起こせない。
でも、生まれたばかりの赤ちゃんたちは計り知れない力を持っていて、赤ちゃんたちは奇跡を起こす力を持っている…
私は7ヶ月のNICUでの経験を経て今そう思います。
そして、赤ちゃんたちが奇跡を起こすのを唯一手助けできるのはNICUスタッフだと思います。
彼らがいなければ赤ちゃんたちは奇跡を起こせない。
ピピウも今、ここにいないでしょう。
ピピウに、そして私たち夫婦にNICUスタッフ達がしてくれたこと、一生忘れません。
ピピウの1歳の誕生日を家で、親子三人で迎えられたことを最高に幸せに思います。
ピピウ、生きてくれてありがとう。
これから何回もピピウのお誕生日を一緒に祝おうね。
そしてピピウと私たち夫婦を支えてくださっている全ての人に感謝。
ピピウ、1歳、修正月齢9ヶ月になりました。
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