ピピウが生まれてから54 〜ピピウのレポート〜 | 憧れの(?)Italia Firenze生活

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イタリアはフィレンツェに住みつき早十数年。
日本語を教えながら、イタリア人の夫と息子と暮らしています。
私の平凡なイタリア生活の実態を御紹介♪

イタリア、フィレンツェにて、イタリア人の夫と暮らしています。
2017年春に第一子となる息子ピピウ(仮名)を出産。
ただ、26週というかなりの早産で生まれてしまった息子。
息子が生まれてからNICUを卒業するまでの過去の出来事を当時の日記をもとに書いています。


〜ピピウのレポート〜

手術から2週間経って、また中心静脈栄養の点滴ストップが始まりました。

一日3時間。

また、ベビーカーに乗せて院内を散歩です。

初めてベビーカーでNICUを出たときは真夏でしたが、そろそろ季節が変わりはじめていました。


手術から3週間、ミルクも再開しました。

1回5ml。

母乳ではなく、消化する必要のない特別な粉ミルクです。

今回はなかなか胃の残留液がなくならなかったので、ミルク再開には随分時間がかかってしまいました。
(それまでは術後1週間から10日で再開してました。)


このころ、ドクターにお願いしていたピピウのレポートが出来上がり、ドクターにもらいました。

ピピウは超未熟児で生まれ、小腸の大部分を失い、当時は経口栄養はほとんど0。
中心静脈栄養なしでは生きていけず、退院したとしても在宅での点滴は必須。

そのため、障害者手当てを申請していたのです。

申請にはドクターの診断書が必要であり、それにはピピウが生まれてからそれまでの容態、手術内容、治療内容…全てが書かれています。
手渡されたレポートは随分分厚いものでした。


よせばいいのに…

それを読んでしまった私。

特に腸の手術の内容を読みました。


凹みました。



ドクターたちが何か私たちに隠していたわけではありません。

全て聞いていた内容ですが…。

文字で読むとなんだか重みが違います。


ピピウは何度も大変な高い壁を乗り越えて、いつも元気になってくれる…。

だから、なんだか大丈夫な気がしてしまうのです。


現実は、医学的な所見は、レポートに書かれている通り…。


現実を突きつけられたようでした。


レポートを読んだ後、ピピウは口から食べ物が食べられるようになるんだろうか?点滴が取れる日が来るんだろうか?と、将来が無性に心配になってきました。



お昼になって、Gくん両親とお昼を食べに行きました。
元気のない私を見て、「どうしたの?ピピウに何かあった?」と聞かれました。

「実は…。」と訳を話すと…

「あれは読んじゃダメよ!笑
でも、分かる。私たちも読んじゃって、読んだ後すごく凹んだから。
あそこに書いてあるのは現実だけど、子供達の回復は時には医者にも想像できない。
ピピウだってこれまでそうだったじゃない。」

Gくんの両親は私たちより早く申請をしていたため、私の気持ちもよく理解してくれました。



夕方、ダンナが来てレポートを渡しました。

「読まないほうがいいよ。」と渡しましたが、読んでました。

そして、案の定凹んでました。



改めて、自分達の息子が乗り越えてきた手術の大変さと、病状の重大さを思い知らされたのでした。


黒猫しっぽ黒猫からだ黒猫からだ黒猫からだ黒猫からだ黒猫からだ黒猫からだ黒猫からだ黒猫からだ黒猫あたま


ピピウのNICU退院から今でも、新しいドクターがピピウを診察する際はそのレポートを読んでらっしゃると思うのですが、そうするとほぼ必ずと言っていいほど「口から食べられるのか?」と聞かれます。
「この子がピピウ?まぁ、元気でかわいい赤ちゃんじゃない!」と言われる事があります。

おそらく、書面からは、これまでピピウが受けてきた手術や治療からは、今のピピウの姿や状況は想像しにくいのでしょう。


ピピウは現在、小さ目の赤ちゃんではありますが、手術痕や中心静脈カテーテルさえ見なければ、要は裸にならなければ他の健康な赤ちゃんと見た目は変わりません。



現在、ピピウは在宅での点滴を毎日11時間しています。
離乳食はまだ1日2回。
ミルク(プレゴミン)は1日4回。

それを時々鬱陶しくも思う自分がいます。

でも、この一年、ピピウが乗り越えてきた問題の大きさを考えれば、"今"の状態はほぼ奇跡!

時間がかかっても、我慢、我慢。

むしろ感謝しないといけない状況なのを忘れないようにしないといけませんね。


ピピウのことをブログに書くようになってから、"子供は強いから"というコメントを多くの方からいただきましたが、本当にそうですね。

ドクターは奇跡を起こせなくても、赤ちゃんたちは奇跡を起こす力を持っている。

これまでピピウが起こしてくれた奇跡と、今も起こしてくれてる奇跡に感謝です。








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