パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

FRANK -フランク- ★★.5

2014年11月20日 | アクション映画ーハ行
『X-MEN』シリーズや『それでも夜は明ける』などのマイケル・ファスベンダーが、かぶり物をしたバンドマンにふんしたコメディードラマ。イギリスのコメディアン、フランク・サイドボトムをモデルに、演奏中はもちろん、どんなときでもかぶり物をかたくなに脱がないバンドリーダーの謎を描く。共演は、『アンナ・カレーニナ』などのドーナル・グリーソンと『クレイジー・ハート』などのマギー・ギレンホール。監督は、『ジョジーの修理工場』などのレニー・アブラハムソン。声と動作だけで主人公に成り切るマイケルの演技が笑いと感動を呼ぶ。

あらすじ:フランク(マイケル・ファスベンダー)は、常にシュールなかぶり物をかぶっている不思議な男。フランクがリーダーを務めるバンドに加入することになったジョン(ドーナル・グリーソン)にとって、フランクは妙に魅力的な存在だ。そんなある日、バンドの映像がインターネットで話題になり、アメリカの音楽フェスティバルに招待されることに。ところが突然、フランクが様子が変になり……。

<感想>この映画は、一風変わったシニカルコメディ。主人公のフランクは精神を病んで巨大な張りぼてマスクを被り続けている、インディー・バンドの正体不明なカリスマミュージシャンである。
エキセントリックだが、クリエイティブな才能に惹かれ集まった変わり者のメンバーと、幸せな音楽人生を送っている。だが、そこに加入したノーマルな田舎青年ジョンの存在によって波紋が生じるようになる。キーボードの男が海に飛び込み自殺を図る。そこへ居合わせたジョンが、早速バンドのメンバーになることから始まる物語。ジョンを演じたのが「アバウト・タイム」の美青年ドーナル・グリーソンでした。

音楽といっても様々だが、私にはこういう音楽は、メロディーが全然まともでなく、歌詞も変だし、歌だってただガ鳴っているだけ。もうこういう楽曲を好きだという方には最高の曲に聞こえるのでしょうね。

だから、客を選ぶし、コンサートでもまばらな客席。それで、アイルランドへ行って森の小屋で曲作りをするメンバーたち。真剣に取り組んでいる様子もなく、バカンスに来ているみたい。

大規模な音楽イベントで成功するために、「もっと愛される曲に変えよう」と提案するジョンの発言に反発するメンバーと、「愛される」という言葉に異様に高揚するフランク。
だから、メンバーを率いるドンが首吊り自殺をしてしまうなんて、思ってもみなかったことで。ジョンが動画をネットで流して、それでファンが殺到して、アメリカのテキサス州で開催されるインディ系のコンクールへ出ることになる。

ところが、そのステージ上でフランクが歌わないのだ。ジョンはせっかくのチャンスを台無しにされ怒ってしまう。フランクが動揺して、モーテルの外へと飛び出して、車に跳ねられマスクが無惨にも壊れて地面に転がっていた。そしてフランクが姿を消す。
ところが、ジョンもフランクを探しているうちに車に轢かれて大怪我を負うのだ。

ジョンが心配して探し回り、結局は自宅に戻っていたのだ。被り物を取ったフランクは、額に傷があり顔にも傷が、痛々しいその顔でただ黙っているフランク。しかし、まだ歌を捨てたわけではなかった。愛しているクララ(マギー・ギレンホール)が歌っているクラブへ行き、彼女に自分の気持ちを歌に込めて、愛の歌を歌うフランク。特別映像で流れている曲はフランクにふんしたマイケルが歌う「I Love You All」で、マイケルの味のある歌声も素敵ですね。

カリスマの主義主張を押し殺し、ポップな作風に変えていくと精神が壊れてしまうのが正直なところ。またこれも痛く切ない真実なのだ。マスクの下の彼が行き着く先はどこなのか、きっとあまり幸せではないのだろうが、観客である私たちからすると、その様子が滑稽で何だかユーモラスで可笑しくなってきてしまうのだ。
2014年劇場鑑賞作品・・・347 映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング