パピとママ映画のblog

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ブルーハーツが聴こえる★★★★

2017年05月23日 | アクション映画ーハ行
「リンダリンダ」「TRAIN-TRAIN」などの名曲を生み、1995年に解散した伝説のバンド、THE BLUE HEARTS 結成30周年を記念したオムニバスドラマ。6人の監督がそれぞれ愛着のある THE BLUE HEARTS の楽曲への思いを映像化し、自在に物語を紡ぐ。尾野真千子、市原隼人、斎藤工らキャストに加え、飯塚健、井口昇、清水崇といった監督が勢ぞろいする。
あらすじ:アンティークショプで働く一希は、一緒に生活して3年になる恋人の浮気現場に遭遇し……(『ハンマー(48億のブルース)』)。遠い未来、刑務所惑星に向かう囚人護送船が流星群に見舞われる(『人にやさしく』)。脚本家の大輔は夢中で自分の高校時代の思い出を書いている最中、トイレから昔にタイムスリップし……(『ラブレター』)。

<感想>ブルーハーツの歌をテーマにして、6人の監督が撮った短篇を束にした映画である。「ハンマー(48億のブルース)」、「人にやさしく」「ラブレター」「少年の詩」「ジョウネツノバラ」「1001のバイオリン」の全6作品。どれもこれもが、素晴らしい出来でオムニバスに感激した。

さすがに、出来に若干凸凹はあるものの、短篇ゆえにアラが気にならないのだ。確かに長編でダラダラと観ていると、短くて済むのに無駄に長くしている映画が多すぎるし、それに、絶対に一つで済むのに、前篇、後篇と分けて二つにして撮っている映画も多いのだ。
逆に彼らのコアなファンには、物語が飛躍しすぎて馴染めないかもしれない。だって、メンバーが出演するわけじゃないし、歌詞の意図的な曲解もあるからね。中でもお気に入りは、
井口昇監督の「ラブレター」時間旅行ものは、彼の中でも最高傑作ではないかと思う。暑苦しい映画への情熱をイケメンに醜悪の男を演じさせて成立させ、唯一映画になっている。

映画好きならではの妄想ファンタジーが炸裂して、舞香ちゃんのシザーハンドがとってもいい。眠れる美女、しかもヌーディだし、水原希子篇とか、超バブリーな「懐かしいCM」が愉快な優香篇とか、一本ごと細部に企画のこだわりが見て取れるのだ。

そして、笑いが空転する飯塚健監督の「ハンマー(48億のブルース)」尾野真千子出演、亜流の和製SFのような下山天監督の「人にやさしく」には、市原隼人、高橋メアリジュン他。

それに、清水崇監督の「少年の詩」、には内川蓮生君、少年の衝動が設定以上に弾けないとか、細部に何気ない工夫があって感心したり、使用曲とは無縁に、映像技巧に走る工藤伸一監督の「ジョウネツノバラ」とか、

問題を提起しても描くべき、中心の空っぽぶりが際立っている李相日監督の「1001のバイオリンは、彼の福島への思いが素直に胸に響いて良かった。出演は豊川悦司、小池栄子、石井杏奈他。オムニバスで160分というのは、どうにかならなかったのだろうか!これこそ、2回に分けてもっと長く観たかったのもある。

「ハンマー」

話は三年同棲していた彼氏の浮気している瞬間を後藤一希(尾野真千子)が発見するんだけど、彼氏に面と向かって何も言えない状態のモヤモヤした感じでスタート。それでも職場の先輩である久保(角田)やJKコンビのアドバイスがきっかけで一希は自分自身に決着をつける…。
「人にやさしく」

SF。宇宙船の中で繰り広げられるアクション作品。刑務所惑星を目指す囚人護送船が流星群に襲われて……市原隼人が”ヒューマノイド”というロボット役。
助かるには宇宙船の外にある部品を取りにいかなければならない。しかし、宇宙服が船内にはない!市原隼人が、「宇宙服なんていらない」と言うのだが、果てさて。
「ラブレター」

池野大輔(斎藤工)と小松純太(要潤)が、過去に戻って死んでしまった初恋の相手吉田彩乃(山本舞香)を助けに行くという、タイムトラベルもの。設定は定番でありながらも、全体的に雑な感じがした。
「少年の詩」

舞台は1987年、鍵っ子少年が主人公。特筆すべきはその時代の空気感を表現するディテールの細かさ。当時のポスターやCMが作中で垣間見える。
「ジョウネツノバラ」

映像の中で一切、セリフが出てきません。大切な人を失いつつも、それにすがり続ける男の感情を、演技や光の表現に音と風景などで感じ取っていくもの。
「1001のバイオリン」

福島原発の元作業員、秋山達也(豊川悦司)と家族の話。秋山一家は震災が原因で福島を離れ東京に移り住んでいる。家族は徐々に東京生活にも慣れつつあるけど達也は……。
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