パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

私が、生きる肌 ★★★

2015年10月03日 | DVD作品ーま行、や行、ら行
『トーク・トゥ・ハー』のペドロ・アルモドバル監督が、ティエリ・ジョンケの小説「蜘蛛の微笑」を原作に放つサスペンス。亡き妻の代役を創造しようとする形成外科医と、そのゆがんだ愛情のいけにえとなってしまった者の姿を、退廃と官能が入り交じる鮮烈なタッチで活写していく。『アタメ』以来となるアルモドバル監督とタッグを組むアントニオ・バンデラスが、これまでのワイルドでセクシーなイメージを封印し、狂気に支配された形成外科医を怪演。彼によって別人にされていくヒロインにふんした『この愛のために撃て』などの注目株、エレナ・アナヤの肌と肢体を惜しげもなく披露した熱演も見ものだ。
あらすじ:最愛の妻を亡くして以来、完ぺきな肌の開発研究に打ち込む天才形成外科医のロベル(アントニオ・バンデラス)。あらゆるモラルを打ち捨ててしまった彼は、ある人物を監禁して禁断の実験に取り掛かることに。
それは開発中の人工皮膚を全身にくまなく移植して、被験者を亡き妻へと作り変えてしまうことだった。着々と妻の代役を創造させていくロベルだったが、思いも寄らぬ事態が起こってしまう。(作品資料より)

<感想>DVDにて鑑賞。これは至高の愛なのか、それとも鬼畜じみた性犯罪なのか?・・・アブノーマルな世界をドラマチックに描く、鬼才ペドロ・アルモドバル監督が放つ官能サスペンス。愛に狂う異色のキャラクターを演じるアントニオ・バンデラス、彼が扮する天才形成外科医が主人公。
画期的な人工皮膚を開発した外科医には、ある秘密があった。自宅に美しく従順な女性を匿っていたのだから。しかも、その外見は外科医の亡くなった妻にそっくりなのだ。物語が進むにつれ、12年前に妻が不倫の果てに自殺した事。さらには、6年前に愛娘がレイプ未遂に遭ったことが明らかになる。

大豪邸で一人暮らす外科医ロベル。だが、特別な女性患者ベラに2階の1室があてがわれ、メイドのマリリアがその行動をチェックしていた。カーニバルの夜、メイドのマリリアの息子セカが派手な虎がらの衣装で現れ、テレビに映る2階のベラの存在に気づくと、問答無用でベラを犯し始める。
まさかベラが、外科医ロベルの手で美容整形されたある男だとは気付かないほど、亡くなった妻のベラそっくりだったのだ。だから突然の出来事に理解できないでいた。間違うくらいそっくりだったとは。

ベラはなぜ幽閉されているのか?・・・果たして外科医が匿っている女性は何者なのか?・・・。帰宅したロベルによって、セカは彼に射殺されてしまう。マリリアによると、セカは父親違いのロベルの兄だそうだ。ロベルの実の母親は子供が産めなくて、父親がこのメイドのマリリアに生ませた息子なのだ。
自分の妻がマリリアの息子、異父兄と不倫をして、それがロベルに知られて車で逃げ、途中で事故に遭い大火傷を負うのだ。それから家に妻を寝かせ、看病するもまだ医学的に人工皮膚の移植が完全ではなく、妻の皮膚移植ができなかった。妻が自分の焼けただれた顔と身体をガラスに写して見て、窓から投身自殺する。
それを娘が見ていて、精神的におかしくなり病院へ入る。病院から退院した夜に、街から来た男と仲良くなり、邸宅の庭で娘は精神がおかしくなり失神する。慌ててバイクで帰る青年。それから娘は、精神病院の窓から飛び降り自殺するとは。

それを見ていた父親のロベルが、その青年を拉致して、自分の医術を生かして美容整形し、亡き妻ベラに瓜二つの顔に仕上げ、身体も性転換手術をするのだ。まるで亡き妻の代わりに、自分の手で作り上げた美容整形の男とベットを共にする。本当は男優さんと入れ替って、『この愛のために撃て』のエレナ・アナヤが肌色のボディースーツを着て、演じているのが印象的である。
愛とモラルは別ものであることを描いてきた、鬼才ペドロ・アルモドバルだが、これまでで最もヤバい内容であると思う。
妻を愛するあまり、男の歪んだ愛情と狂気が怖い。とんでもない結末が用意されていたのには驚きました。代表作「トーク・トゥ・ハー」で昏睡中の女性患者を妊娠させるなど、フツーじゃないSEXを題材にするアルモドバル監督。
病みつきになるファンが多いが、本作はカンヌ映画祭でも賛否が割れたそうです。
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