パピとママ映画のblog

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ソロモンの偽証 前篇・事件 ★★★★

2015年03月04日 | アクション映画ーサ行
人気作家・宮部みゆきのベストセラーを実写化した、ミステリー2部作の前編。ある中学校で起きた不可解な生徒死亡事件と、その真相を暴こうする女子生徒が開く学校内裁判の行方を追い掛ける。監督を務めるのは、『孤高のメス』などの成島出。『超高速!参勤交代』などの佐々木蔵之介、『小さいおうち』などの夏川結衣、『八日目の蝉』などの永作博美といった実力派が結集、大規模オーディションを敢行して舞台となる中学校クラスの生徒役33人を選出。事件を機に浮かび上がる、人間が抱える闇の深さに息をのむ。

<感想>二部作で公開されるヒューマン・ミステリー超大作です。3月1日にシネコンにて「ソロモンの偽証 前篇・後篇」プレミア観賞チケットにて、一気見で、前篇と後篇を観賞しました。途中で20分間の休憩がありましたが、何だか得した気分で、疲れもどこかへ吹っ飛び、ミステリアス・サスペンスな高校生裁判を見届けてすっきり爽快な気分でした。

スカイツリーの見える江東区の中学校、桜が満開でとても美しく、日本の何処の学校でも、校庭にはソメイヨシノの桜が何本も植えられ、東北では入学式には必ず桜が満開ですね。
冒頭では、校長室に女性の余貴美子校長がいて、そこへあの事件の校内裁判を行うことを決定した藤野涼子がいました。結婚をしたのか藤野から中原涼子(尾野真千子)に変わってましたね。彼女は母校の中学教師として新学期に赴任してきたのです。そうして、涼子の回想シーンが、あのバブルがはじける1990年12月25日の朝の出来事を話始める。

ウサギ小屋の掃除のために早くに登校してきた藤野と野田が、雪に覆われた中学校の校庭の裏庭で、柏木卓也という14歳の生徒の遺体を見つける。学校側では、警察と打ち合わせした後に、自殺と断定するのだ。
葬儀の日、生徒たちと父兄が参列する中に、一人立ちすくむ他所の中学校の男子が立っていたのだ。担任の黒木華扮する森内先生は、自分が柏木くんの悩みを聞いてあげられず、助けることができなかったことを詫びて泣き崩れる。

しかし、その後に藤野の家と担任の森内先生のところへ、そして学校の校長へと、告発状を書いた手紙が速達で配達される。それには、24日の深夜、学校の屋上で男子生徒の大出君たち不良生徒が、柏木くんを金網のフェンス越しに突き落としたのを目撃したという手紙でした。
これは、自殺ではなく殺人ということなんですよね。ですが、学校側では、警察も調べて自殺と断定しているので、これは自殺ですときっぱり言う校長の小日向さん。
そんな中で、クラスメートの浅井マツコが車に跳ね飛ばされ死亡という事件が起きる。男子生徒の謎の転落死をきっかけに、スキャンダラスな事件が発生し、平穏に見えていた日常が壊れて、人々の陰謀が見え隠れし始める。その告発状がマスコミが気が付き、TVで報道する。
前篇では、事件が起きた当日と、その告発状の内容で、これを書いたと思われる顔にニキビのある女子生徒三宅樹里の家が映し出され、母親と暮らしているような、過保護で自分の顔のニキビを大いでくんたち男子生徒にからかわれ、それもブスな顔して学校へ来るなと言われ、殴られて顔を足蹴にされる三宅樹里。

それを見て仲裁に入る浅井マツコも、殴られ蹴られて、デブ、ブタ、お前も学校へ来るなともの凄い悪態をついての虐めである。それを、遠くから見ていたのが、藤野涼子で、冷めた目つきで駆けつけて止めに入ろうとはしなかった。
また、そこへいた柏木君が、藤野に「見ているだけで助けようとはしない。そういうのは、口先だけの偽善者というのだ。お前みたいのが一番の悪しつなんだよ」、そういう柏木くんも死ぬ前は不登校で、何か悩んでいたのだろう。
しかし、あの5、6人いる男子生徒の暴力の中へ自分も入ったら、きっと殴られて虐められるに違いない。生徒会長である藤野には、とても見てみぬふりするしかなかったのだ。

担任の先生は、告発状の手紙を受け取ってないというのだが、郵便局では配達したというのだ。嘘をついているのか、何のために嘘をつくのだ。そして、先生は学校を辞めることになる。その郵便物を受け取る、受け取らないという事態は、後編で何とも穏やかではない、命に関わる事件として出てきます。これには呆れてしまった。
それに、柏木くんの葬儀の時に立っていたのが、柏木くんと小学校の時に同じだった他所の中学生徒の神原くんも、柏木くんの死について何か関係があるような気がします。
そして、夏休みに入る前に、藤野が警察官である父親に相談して、この事件をうやむやにしておくことは出来ないと、私たちで“学校内裁判”を開くことを話し、決意して、みんなにも相談します。
校長に話すも、先生の中で女教師が、藤野さんに、なまいきな子と、顔を平手打ちします。大げさにするなという教師の威圧ですかね、こんな先生ばっかしじゃ、生徒たちは誰も先生を尊敬しないし、相談だってしない。このことで余計に生徒たちは、自分たちで柏木くんと浅井さんの死の究明を調べようと、どんな結果になってもへこたれずに、やりとうそうとする彼女たちの心意気に感心しました。
大人たちが、うやむやにして事件を闇に葬ろうとする根拠は、体裁や学校の都合とか、教育委員会への脅威からだろう。中学生の中でも、勇気を持って真実を究明しようと「校内裁判」をしようとするヤルキ、これは大変に難しいことで、ヤルキだけではね、法律とか知らないとダメなのでは、中学生ではまだ裁判のことも知らないし。
しかし、原作があの宮部みゆきさんなので、安心して見ていられる。

学校の先生の中で、バスケのコーチをしている松重豊扮する北尾先生が、学校に辞表を書いて生徒たちの裁判を応援することになる。あいつらの本気に付き合うと。
自分たちの力で納得がいくまで真相を究明しようとする、彼らの努力と勇気に励まされ、後編が楽しみになってくる。誰が嘘をついているのか、あの虐めの生徒大出くんは、まったく柏木の自殺には関係ないのか、それに、告発状を書いたニキビの三宅樹里さんも、大出たちに虐められての腹いせで犯人にしたてようと告発状を書いたのでは。いろんな憶測が頭を巡らせていく中で、後編の真相究明が楽しみになってきます。
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