パピとママ映画のblog

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リバーズ・エッジ★★★・5

2018年02月17日 | アクション映画ーラ行

1993年~94年に雑誌『CUTiE』に連載された岡崎京子の伝説的名作コミックを「世界の中心で、愛をさけぶ」「ナラタージュ」の行定勲監督、「私の男」「SCOOP!」の二階堂ふみ主演で映画化した青春ストーリー。河原に放置された死体という秘密を共有する若者たちの欲望と焦燥を鮮烈に描き出す。出演者に若草ハルナ:二階堂ふみ、山田一郎:吉沢亮、田島カンナ:森川葵、観音崎:上杉柊平、吉川こずえ:SUMIRE、小山ルミ:土居志央梨。

あらすじ:女子高生の若草ハルナは、元恋人の観音崎にいじめられている同級生・山田一郎を助けたことをきっかけに、一郎からある秘密を打ち明けられる。それは河原に放置された人間の死体の存在だった。ハルナの後輩で過食しては吐く行為を繰り返すモデルの吉川こずえも、この死体を愛していた。一方通行の好意を一郎に寄せる田島カンナ、父親の分からない子どもを妊娠する小山ルミら、それぞれの事情を抱えた少年少女たちの不器用でストレートな物語が進行していく。

<感想>原作の漫画は読んでないです。90年代というと、スマートフォンという便利なものないし、行定勲監督が言うには「原作は1994年当時、東京のクリエイターたちに多大な影響を与えた漫画です。そして翌年、日本では関西大震災(阪神・淡路大震災)が起こり、さらにオウム真理教の地下鉄サリン事件が起こり、カオス、変革の時期を迎えます。これはその前夜に少年少女たちがどんなことを感じていたかを描いたものです」と時代背景を説明している。

舞台の背景は、上流からの汚水が吹き溜まりのように停滞し、潮風と川の異臭が交わり合う工業地帯と隣接する高校に通っている高校生たちの物語。

主人公はハルナで、ちょっと大人びた二階堂ふみちゃんが演じている。もちろん制服何て着てないから、年齢的にも女子高生というか20歳くらいの女の子っていう感じがする。

そのハルナの彼氏である観音崎の凄まじい虐めの対象になっている山田に、ちょっと可愛い目の吉沢亮さんが扮している。虐められ裸にされてロッカーに入れられているのを助けたハルナが、山田を助けたことで仲良くなる。

その観音崎には、上杉柊平が扮していて、普通の茶毛のヤンキー兄ちゃんって感じかな。いつも山田を目の敵にしては虐めて、裸にして放置するのだ。

その山田がハルナにある秘密を打ち明ける。それは学校の目の前にある雑草に覆われた河川敷の中に白骨化した死体を見つけたことだった。山田が去年見つけた時には、まだ肉が付いていたというから、山田くんって変態かもしれない。

そして、山田くんは同性愛者であり、クラスの田島カンナと付き合っているのはカモフラージュのため。カンナには森川葵が扮していて、山田くんは、本当は1学年上のサッカー部の男の先輩が好きなのだそうだ。

その秘密を、山田はモデルとして活躍するこずえにも見せていて、二人だけの秘密の宝物にしていたというのだった。それで、ハルナにも見せて共有することを許すというのだ。どうして、警察に知らせないのだろう。モデルのこずえには、Charaと浅野忠信の娘で「装苑」専属モデルのSUMIREが演じてる。

彼らは、表と裏の顔を使い分けているようだ。昼間の山田は観音崎から理不尽な暴力を受け続けており、拒絶も抵抗もしないで誰にも言ってないのだ。だが、夜の山田は、大人の男に身を任せてお金を取り、ゲイでもあることをハルナに話す。

こずえは、著名なモデルだが、摂食障害で人知れず食べては吐くことを繰り返している。それにレズビアンらしく、ハルナに恋しているみたいだ。

それに、ハルナの親友のルミは、隠れて観音崎とセックスを重ねており、その他にも援助交際で金を稼いでいるのだ。唯一、裏表のないのは、河原の骸骨だけだ。ハルナが山田と付き合っていることを知ったカンナが、ヤキモチを焼いてハルナの家に放火する。そして、自分も黒焦げになって自殺をしたようだ。

観音崎と始終セックスをしているルミは、ハルナに嫉妬みたいなジョークを言うも、自分は誰の子供か知らない子供を妊娠する。観音崎に責任を負わせようと、妊娠を告白するも、彼から「本当に俺の子供か」と疑われる始末。

その後が怖いのだ。観音崎が河原でルミの首を絞めて殺してしまったらしい。慌てた彼は大田に相談するも、穴を掘り深く埋めてしまえばしいと。しかし、その後に気が付いたルミが、よろよろと家へ帰れば、姉が妹に男がたくさんいるのに嫉妬をして、それに妊娠までしたことを、ルミの日記を見て知り喧嘩になり、ルミの身体をカッターで切り刻むのだ。結局はそれで、ルミは流産をしてしまい入院をする。

高校生といっても、彼らは学校へ行っているだけで勉強なんてしていないし、絵のタッチは軽く明るいが、起きている出来事は暗くて、高校はまるで監獄のようでもあります。出口の見えない重い閉塞感がただよっている。

二階堂ふみちゃんと土居志央梨さんは、惜しげもなくフルヌードで体当たりのベッドシーンもあり。吉沢亮も中年オヤジ相手の売春もする役で、裸になりますから。

まったくもって、90年代の高校生たちは、こうも淫らで軽薄なのか。だからセックスのシーンは観る者をいこごち悪くさせるほど生々しいし、ドラッグやタバコを良く吸うのにも呆れるし、暴力は痛々しく感じる。この映画の中には、大人たちはまるで出てこない。まだ未成年だからといって、こうも残酷なことを容赦なく起こることに於いても、全てにおいて衝撃的な作品であります。

思い出してみれば、80年代が舞台の能年玲奈主演のホットロードがあったことを。

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