パピとママ映画のblog

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羊と鋼の森★★★・5

2018年06月16日 | アクション映画ーハ行

第13回本屋大賞に輝いた宮下奈都の同名ベストセラーを「orange-オレンジ-」「四月は君の嘘」の山崎賢人主演で映画化した音楽青春ドラマ。一人前の調律師を目指して楽器店に就職した主人公が、個性豊かな先輩調律師たちや高校生姉妹をはじめとする仕事先で出会う人々との交流を通じて、何度も迷い悩みながらも逞しく成長していく姿を描く。共演は鈴木亮平、上白石萌音、上白石萌歌、三浦友和。監督は「orange-オレンジ-」の橋本光二郎。

あらすじ:北海道の山奥で育った高校生の外村直樹は、たまたま学校のピアノの調律現場に立ち会い、その音に生まれ故郷の森の匂いを感じて魅了される。音楽の才能もクラシックへの興味もなかった外村だったが、このとき出会った調律師・板鳥宗一郎に憧れ、自分も調律師になることを決意する。やがて調律の専門学校を卒業した外村は、めでたく板鳥と同じ楽器店に採用される。そして先輩調律師・柳伸二について調律の仕事を一から学んでいく。そんな中、対照的なピアノを弾く高校生姉妹・佐倉和音と由仁と出会い、改めて調律の難しさと奥深さを実感していく外村だったが…。

<感想>山崎賢人主演と言うので鑑賞しました。彼が高校卒業後の就職が決まっておらず、その後に学校に来たピアノの調律師と出会い、何故かピアノの音と、自分が住んでいた故郷の森の中がすんなりとピアノの音と重なり合って行くところから、彼がピアノの調律師を目指して成長していくことを描いている。たった、一つのピアノの音が、自分の心の声に寄り添い、故郷の森の中を彷徨う。外村直樹がピアノの調律をする時に、彼が森の中に分け入るシーンが描かれるのですが、この森の新緑のシーンが幻想的でとても良かったです。とても美しい映像で、丁寧な描写が素晴らしいのですが、何より印象的なのはピアノの“音”でした。

ピアノの演奏シーン以外で、音が流れる事はほとんどなく、ピアノの鍵盤を叩く音から、調律中の動作の音とか、新緑の森を直樹が歩く音。小さい時からピアノを習っていた私でも、ピアノの調律師になりたいとは考えたこともなかった。この主人公は、ピアノに触れたこともなく、ピアノを弾いたこともないのに、よくぞピアノの調律師という職業を選んだと思いましたね。

しかし、森で囲まれた家で育った青年がピアノの調律師になり、先輩たちの調律を学びながら、たくさんのピアニストと心を通じ合い、苦悩や葛藤、挫折を味わい、仲間に支えられながら成長していくヒューマンドラマとなっていた。

先輩の鈴木亮平が演じる柳が、とても親切に教えてくれるし、優しいし、外村がピアニストから悪口言われても、フォローしてくれる関係性も良かった。

仕事先で、ピアニストを目指す双子姉妹を、東宝シンデレラの姉妹女優・上白石萌音と上白石萌歌が演じているのも良かった。

姉妹でも、姉の萌音は気難しいような、ピアノの練習を何度も練習する物静かで神経質な性格であり、優しい静かな音楽を好む。

妹の萌歌はと言うと、明るく元気な性格で、ピアノを弾く時も元気があるので鍵盤を強く叩くような性格で、飛び跳ねるような曲が好き。だから、姉妹が一緒に惹いているグランドピアノは、そのどちらにも合うように調律しなければならない。これは本当に難しいと思う。ピアノを弾く人によって、鍵盤の叩き具合や、優しくなでるように引く人もいるので。

それで、この姉妹からのピアノの調律師として、文句が出て来る。コンクールに向かって練習している姉妹にとっては、自分たちの家にある練習のピアノの音が狂っているのでは、練習にはならないからだ。

だから、誰にでも合うように調律するためには、三浦友和演じる調律師・板鳥宗一郎のようにならなければならない。まず、耳が良くなければならない。それと自分でも、あるていどはピアノを弾ける力があることです。

また、外村が独り立ちしての最初の家、位牌が二つ置いてあり、犬の首輪を青年が持っているのですが、青年が暫らく弾いてなかった埃だらけのピアノ。それを調律する彼が、またその青年がこのピアノを弾いてみたくなったことを考えて調律する。ここはセリフを少なくして、音楽の力で見せるから、泣かせるシチュエーションでしたね。

ラストで先輩である柳に扮していた鈴木亮平の、結婚式場のピアノの調律を頼まれ、そのピアノを弾くのが姉の萌音だと言うこと。ピアノコンクールで失敗をしてしまい、演奏がうまく弾けなかったことから挫折をして、ピアニストを断念してしまったらしい。その彼女がまた、ピアニストとして演奏をして羽ばたく姿が見れたことに感激しました。

楽器店の店主でもある三浦友和さん演じる、調律師・板鳥宗一郎が、有名な一流ピアニストのコンサートで弾く、グランドピアノを調律するところでは、何度もそのピアニストが細かく要望を板鳥に伝える。それに応えて、ピアノの足の向きを変えたりし、又は弦のビスを強く締めたりしてピアノを調律するコンサートチューナー

北海道の美しい景色に、ダイヤモンドダストなど、そしてまた選曲が良かった。1曲1曲が登場人物の設定や、エピソードに合わせた曲が流れていて、物語のピアノの調律の話と上手く合わせているところも。またテーマ曲「The Dream of the Lambs」を久石譲が作曲して、辻井伸行が演奏していたなんて、素晴らしい。

018年劇場鑑賞作品・・・112アクション・アドベンチャーランキング

 

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