ずっと昔のことだが、でもネットで見た記憶なので、それほど昔ではないかも。

賃貸(アパート)に入るとき、敷金1礼金2とか、敷金2仲介手数料1とか見るでしょう?あれの他に、火災保険1万5千円(とか2万円)というのがついてくる。そのネットの書き込みは、大家さん(オーナー)が建物の火災保険に入っているはずなのに、賃借人(借りて住む人)もどうして火災保険に入らなければいけないのか、おかしい、不動産屋と大家の陰謀だというような内容だった。ほほう、それはそうだねえ、と思った。
いつの間にか、私は不動産屋になった。賃貸はそれほどしないので、賃貸用の火災保険はよくわかっていなかったが、だんだんと分かってきた。
賃貸の物件資料に、火災保険2万円とか書いてあるが、あれはおそらく、そしてわが社で手配するのは家財保険だ。家は大家さんが確かに火災保険に入っているであろうから、燃えたら大家さんが保険金請求するだろう。家財保険はそこに住んでいる人のモノにかかっている。焼け出された借家人は、新しく冷蔵庫やら洗濯機やら買いなおさなければいけないからね。
それでも、私はニミマリストだし、貯金もあるから買いなおせる、そんな余分に2万円払いたくない、という人もいるだろう。
最近ようやく、それがわかった。賃貸、ほら私、全然しないからさ。

大家さんや不動産屋が家財保険(火災保険)に入ってというのは、借家人賠償のことだ。家を借りている人が、ドアを壊したとか、床を水浸しにしたとか、壁を蹴破ったとか、床に穴をあけたとかしたら、その借りている人が損害賠償をしなければならない。だがその人が全然お金ない人だったら、賠償金が払えない。このとき、家財保険が使える。申し込んだ保険に借家人賠償と書いてあると思うので、見てほしい。そう、これで大家さんも安心だし、借りている人も安心だし、不動産屋も安心だ、ということなのだ。
そう、最近ようやく私は借家人賠償のことに気づいた。
私は全然わかっていなかった。件のネットの書き込みのように、大家さんとか不動産屋の陰謀かと思っていたよ!

とはいえ、私はアパートに住んでいた時代の火災保険の記憶がない・・・ま、おそらく入っていたのだろう。
そうそう、これを書いていて思い出した。天海祐希が主演したドラマ。幼稚園副園長のゲイの男と結婚する話。あの中で、本好きの天海祐希は、アパートに本を置きすぎて床に穴をあけて損害賠償を請求されているが、それを払うお金もない状態でゲイの男と同居を始めるのでありました。今思えば、おそらく天海祐希は、アパート契約時に家財保険に入っているはずなので、その借家人賠償を使えば借金を背負うこともなく、ゲイの親友に代わりに払ってもらうこともなく、当然、結婚する必要もなかったのではないか。あ、これじゃあ、ドラマが始まらない。