ホラー好き以外の評判が微妙な映画を、褒め倒す。
でも、創作ってそういうもの。
他人様がどう言おうとどう感じようと、自分視点が大切。
今作はまさしく、自分視点のPOV(ポイント・オブ・ビュー)撮影。
常に誰かが、ビデオを撮っているという設定。
これが猛烈に好物のババアがいます。当方です。
だからもう、ああああ!
好きすぎる・・・!
観終わった時には満面の笑みで、皺が増えた。ごちそうさま!
祖父母の家に一週間、孫が滞在するのだ。
滞在するうち、おかしな事が起こり始める。
なぜって、おじいちゃんおばあちゃんは年を取っているから。
老いとは哀しく切なくも、混乱をもたらすのだなと怖くなる。
そう、怖くなる。
老人が、ではなくて、自分もやがてこうなるんじゃないかという可能性が怖い。
ボケとは、人間性の全てを凌駕駆逐する病(やまい)だからだ。
その時点で、軽く失禁。
姉役オリビア・デヨングの一途さがいい!
弟役エド・オクセンボールドの小生意気さがいい!
祖父役ピーター・マクロビーの泰然と見える様子がいい。
祖母役ディアナ・デュナガンのエレガントさがいい。ここまでやってくれるとは。
母親役キャスリン・ハーンの屈託なさがいい。
M・ナイト・シャマラン監督、やはり好きだと実感。
『スプリット』で帰ってきたと思っていたけれど、すでに凱旋帰宅していたのだ。
シャマラン監督初のPOVは、実に効果的。
カメラアングルの妙で、枠外の光景を演出しまくる。
というのも、プロデューサー、ジェイソン・ブラムと初めて組んでいる。
『パラノーマル・アクティビティ』シリーズを手掛けたミスター低予算!
しかも、『セッション』も製作した御仁。
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シャマラン監督なのでとネタ探しをすると、呆気ないかもしれない。
実際、格別に新しい事をしているわけではない。
クラッシックへのリスペクトも感じられる。
が、こうして仕上げられると、脱帽だ。
ホラーサスペンスで重要なのは真実の見せ方だ。
そのために作り手は、伏線や誤誘導を企む。
一つではなく、いくつもの段階を用意する。
カラクリに気づいたとしても、別の恐怖も入れ込んであったら、どうか。
あの事態を生んだのは、複合的な要因かもしれない。チビる。
人間を1種類にカテゴライズすると、面白味は薄れる。
彼らのこれまでを想像することで、感情が膨らむ仕掛けだ。
そう、まさに枠外である。
画面に現れない部分を手繰ることで、味が深まっていく。
さらに何が心を熱くするかといって、心だろう。
姉弟の心模様である。
エンドロールにも愛があった。
笑いから始まって、諸問題も入れ込むあたり。
現場は田舎の一軒家。
雪のある町だ。
何が怖いかといって、人間って怖い。
本国版のポスター↑がワクワク仕様。
WOWOWオンデマンド
The Visit
2015年・アメリカ
監督・脚本: M・ナイト・シャマラン
製作: M・ナイト・シャマラン、ジェイソン・ブラム、マーク・ビエンストック
出演キャスト: ディアナ・デュナガン、ピーター・マクロビー、オリビア・デヨング、エド・オクセンボールド、キャスリン・ハーン
M・ナイト・シャマラン監督⇒ スプリット、アフター・アース、デビル(原案・製作)
ジェイソン・ブラム製作⇒ スプリット、セッション、オキュラス/怨霊鏡、パラノーマル・アクティビティ、パラノーマル・アクティビティ2、パラノーマル・アクティビティ3、パラノーマル・アクティビティ4、パラノーマル・アクティビティ/ 呪いの印、パラノーマル・アクティビティ5、インシディアス、インシディアス 第2章、フッテージ、
※鑑賞の感想です。情報に誤りがございましたら御一報頂けましたら幸いです。