「讐 ADA 戦慄篇/絶望篇」=アイドル×殺戮【ネタバレなし感想】 | キタコの世界映画博

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讐 ~ADA~

 

少女が殺す

前回記事に引き続き、白石晃士監督作品。

アイドル映画といえば、ホラーだ。

しかも、殺しである。

進学塾で起こった惨劇を、二つの視点から描いた二部作だ。

 

アイドルグループの大競演である。

アップアップガールズ(仮)のメンバーが主演。

他の生徒役も、様々なグループから選抜。

タワーレコードが作ったアイドルグループ専門レーベル、T-Palette所属グループの皆さんである。

 

第一部の戦慄篇は、ふむふむと。

普通テンションで観ていたのだけれど。

第二部の絶望篇で、印象が一変した。

おおお、と、仰け反ってしまった。

 

アイドルが殺されたり、凶器を持ったり。

こんなことしていい…の…?と、怯むレベル。

アイドルたちにコレをやらせるのか、と震える反面。

出演した彼女たちの覚醒が、眩しくもあった。

 

 

アイドルキャストをPOV撮影

白石晃士監督、今作は得意のフェイク・ドキュメンタリーで容赦なし。

突発的な暴力と、感情の発露だ。

勢いが加速する瞬間には、ハッとする。

 

第一部の視点となる佐藤綾乃は、難しい役どころ。

 

第二部の視点となる仙石みなみは、タッグを組む村上東奈との関係性が良い。

こういう共闘は、実は映画ではあまり見られない。気がします。

男女ではなく、女子同士なのだから。

 

狙われる相楽樹が好演。

 

LinQ、現在はリングに立つ伊藤麻希も、いた。存在感ありまくり。

 

白石晃士作品常連の大迫茂生の顔もある! 嬉しい。

 

 

バイオレンス悲劇

第一部には、アイドル映画の趣もまだ、ある。

だが、第二部ではもう、アイドル映画って…何だっけ…?と、チビるような光景だ。

登場する小道具も、鈍器、刃物、縄と。

物騒この上ない。

たとえばコレを、綾瀬はるかがやるかといったら、やらない。

昔の柴咲コウなら、やる。

そういう印象。って、逆に分かりにくいですか?

 

ファンだからと気軽に観てしまったオタク軍の中には、ドン引きした方もいるかもしれない。

胸にウッと来るようなシーンもあるからだ。

 

テーマは、復讐だ。

発端は進学塾での、女子の揉め事。

いわゆる、マウンティング(自分の優位をアピールする行為)の成れの果てである。

追い込まれる側、追い込む側の心理も共感しやすい。

 

現実に起こり得る悲劇だろう。

むしろ、こういう暴走は少年少女ゆえの装備かもしれない。

 

惨劇現場に残されたビデオカメラ。

そこに映っていた物。

音響も効果的で、砂利を噛んだような後味が残る。

そしてまた、今作も切ない。好きであった。

 

 

 

映画 DVD(2017年鑑賞)

 

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『讐 ~ADA~ 戦慄篇/絶望篇』
2013年・日本
監督・脚本:白石晃士
出演キャスト:仙石みなみ、佐藤綾乃、相楽樹、村上東奈、泉妻万里、舞川あや、伊藤麻希、大迫茂生

 

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