今日は、朝から飛行機で移動して、和歌山に漢方の研修に来ています。
今年の夏は、雨や台風が多く、あまりきれいな青空を眺める機会がありませんでした・・・
でも、今日は空の上から、素敵な景色を見て元気をいただきましたので、皆様にも空の上から見た、夏の青い空と海を見ていただけたら… と思います。
【鮮やかな青色の海】
さて、今日は、昨日の続きで、 4年前に宮崎県のある高校生が書いた作文(後半)をご紹介したいと思います。
≪ここからが、昨日の続きです!≫
「牛は?」
「もういないんだ。何でわかるか。」
「病気にかかったのか。」
浩二は首を横に振って、
「いや。うちの牛は最後まで元気だった。この白いの、消毒用の石灰。消毒も、これでもかというくらいした。一生懸命に世話してきたから牛も強かったと思う。体が強くなるようにえさとかも工夫してたし。でもな。」
「でも?」
「うちの町に病気が来たから、周りの町にうつらないようにうちの辺りの家畜は全部処分されたんだ。俺は見せてもらえなかったけれど、注射する人たちが二回来た。最初来たときがワクチンで、次が殺処分だって言ってた。」
ここで浩二は大きく息を吐き、ぽつりと言った。
「うちがずっと育ててきた牛がみんな・・・。もうね、悲しくて涙が止まらなかったよ。」
昇もは言葉がなかった。しばらくの沈黙のあとで、
「ワクチンでもだめなのか。」
何とか一言、聞いてみた。
「病気がうつっても広がらないようにはなるらしいけれど、ウイルスを体に入れてしまうから、病気にかかったのと同じ扱いになってしまうみたいなんだ。それで結局『殺処分』だって。うちの牛も。」
「処分って、生きてるのに。」
「なんだかね。最後は市場に出すために飼っているんだけど、うちでずっと一緒にいきているからね。家族みたいなもんだよ。今でも悔しいよ。でも、宮崎や日本の畜産を守るためには仕方がないんだよ。」
浩二は奥歯をかみしめるように言った。
浩二がグラウンドに帰ってきた。快音がグラウンドに響き、すぐにドッとグラブに収まる音がする。夏休みに入り、チームは新人戦の練習に入っていた。
「また練習に参加します。」浩二の復帰を皆快く、「おかえり。」と迎え入れた。昇は浩二の家がどうなるのか気になっていた。浩二が監督に、「いつかまた牛を飼う予定です。」と話すのが聞こえた。昇は直接聞いてみた。「牛を飼うって言ってたけど。」 「そうなんだ。そう決めた。」あれだけ辛い思いをしたあとだ。続けられなくなっても仕方がないとも思える。しかし浩二ははっきりと言った。
「父ちゃんはじいちゃんがしてきたことを、ここで終わりにするわけにはいかないって言ってる。やめる人もいるけど、続ける人も多いって。なんだかんだいっても、俺の町は日本の畜産を支えているからなあ。将来のことはまだ決めていないけど、あとを継いでみようかな。」
畜産のことを生き生きと話す浩二を見て、昇もうれしくなった。浩二の家が育てる牛は、きっと日本のどこかのどこに出してもおいしいと言われるだろう。そう考えると、自分たちの住む町が誇らしく思えてくる。浩二は町を盛り上げる気持ちを持っている。自分はどうしていこうか。
「今度は僕が考える番だな。」
キーン!「昇いったぞ。」二遊間に転がるボールをグラブの先で捕え、そのままベース上のグラブトス。浩二はランナーをかわしながらファー
ストへナイススロー。二人の連係がうまくいった。ダブルプレーだ。
雲がたちのぼる青空のもと、二人は成功の合図を交わした。
甲子園では、毎日熱戦が繰り広げられています。
元気いっぱいプレーをしている彼らも、また、試合に出れなかった選手たちも、地方予選で惜しくも涙をのんだ選手たちも、それぞれに苦しいことや辛いことがあったことでしょう。
私も、高校まで野球をしていましたので、努力や苦労が必ずついてくることはよく分かります。
しかし、その汗と涙がこれからの人生の中できっと実を結ぶことを信じて、これからの未来ある人生を思いっきり謳歌してもらいたいと思います。
~読者の皆さんへのお願い~
不妊治療で頑張っていらっしゃる方、子宝(赤ちゃん)を待っているすべての皆さんの願いが叶いますよう、一緒に祈っていただけたらうれしく思います。
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いつも、私のブログを読んでいただき、ありがとうございます。このブログが、皆さんの心の栄養剤になって、心が少しでもホッコリ!となってもらえたら・・・ と思っています。
このブログをご覧いただいている皆様のもとに、大きな大きな喜びとたくさんの幸せが訪れますように…