2014年09月26日

採れないゴーヤー!

採れないゴーヤー!

月に一度のタイムス住宅新聞の連載エッセイ・・
今日の新聞に掲載されています。
文面が下記から読めます。。
ご一読ください。。


            採れないゴーヤ
                             文・写真/照屋寛公
 那覇の市街地に職場兼自宅がある。周りは住宅やマンションが立ち並び、空地は見あたらない。その自宅の道路向いに、ぽつりと150坪ほどの空き地がある。時々、草刈をしているようだが、最近は人の背を越すほどの草、ギンネムなど雑木が生い茂っている。
 近隣の人によるとネズミが出没し、そのうちハブが出てくるのでは、と不安がっていた。これは一大事と、筆者が市役所の担当部署に問い合わせた。土地の所有者は特定できたのだが連絡が取れないとの事、半月ほど過ぎたが、いまだ荒地状態。役所の担当者いわく「私的財産につき、草木一本も伐採しないでください」と電話口で。
 私的財産と言えば、自宅隣家の方が植えたゴーヤが、筆者宅との境界のフェンスを越えて緑豊かに茂り始めている。よくよく見ると小さなゴーヤの実がついている。隣家主は、ゴーヤの存在に気が付いているのだろうか。もうじき収穫のころになれば採る権利は隣家主か、筆者か、悩んでいた。
 法的根拠を少々調べてみた。民法233条によると「隣家の竹木の根が境界線を越えて我が家の敷地に侵入した際にはその枝を切っていい」とある。それが地上の枝などとなると話は違うようだ。勝手に切ることはできない「隣家の方に切ることを依頼することができると」ある。地中と地上では少々事情が違うようだ。
 ところで、隣家との境界線上の問題は、工事中の現場ではよくありがち。その都度丁寧に双方で協議が必要である。勝手に工事をしてしまうと後々問題が起きてしまう。隣に住む人は選択ができない、縁あって隣り合わせで住む事がほとんど。また工事中に空地の隣家を使わせて頂くことも多い、隣家とは子子孫孫と長い付き合いになるのである。それゆえ、工事の関係者でゴミや空き缶にいたるまで細やかな気づかいをするようにしている。
 さて、フェンスを越えて実ったゴーヤ、連日眺めていると、実に大きく立派に成長して収穫の時期になった。先日、その実りのいいゴーヤ眺めていたら、隣家の方が、ちょうど帰宅して会うことがあった。事情を説明して、了解をえて、こちら側から収穫しゴーヤの主に手渡した。夕食の食卓には、美味しいゴーヤチャンプルーが食卓を賑わしたのだろうな。
(建築アトリエ・トレッペン代表・建築家)


↓:ランキングアップ・クリックお願いしまーす!



同じカテゴリー(『新聞連載『フォトCafe』)の記事

 

カテゴリ→『新聞連載『フォトCafe』

   ↓ランキングアップ状態をチェックできます!!

画像多数!ご覧ください。 建築アトリエTreppenのHPへGo!



上の画像に書かれている文字を入力して下さい

 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。