この患者さんは、ちょうど2年前に抜歯即時植立即時荷重インプラント治療をさせていただいて、その翌日ここまで何ともない状態で治せた方です。
しかし、この方は実はこの先治療が進んでいません。
つまり、当院にお越しになられなくなって今どう言う状況だか把握出来ていません。
仮歯が綺麗にそれなりに入って、噛めるようになったしまったので、それで充分と考えてセラミックへの交換を渋ってそのまま、と言うことなのでしょう。
残念ですが、私のしている抜歯即時植立即時荷重インプラント治療は、患者さんにとって実に簡単に楽に治った、と感じる治し方のようで、患者さんによってはもう大丈夫、とたかを括る方が時に出ます。
患者さん教育がなってない、とお叱りを受けることは、仕方がないです。
しかし、我々側としては、レジンで出来ている仮歯の為害性、吸水性が高いので細菌、バクテリアの住処になり、その影響で間違いなく歯茎が炎症を起こし、結果的に骨の吸収も起こし、インプラント周囲炎とかの病気を引き起こしかねないので、インプラントが統合したら直ぐにセラミックと交換すべきである、と何度も説明しているんです。
それでも、易々と治ってしまうと、その後に起こるかも知れない病気の事態、時には悲惨な状況に成ってしまうかも、と言うことに関しては、考えが及ばないようです。
これも全て、簡単に楽に治してしまうこと、の罪悪なんではないか、と私は自責の念になることもしばしばです。
楽に治して差し上げたい、と言う患者さんへの思いが、かえって逆効果になる、と言う皮肉です。
こう言うことは、してはならないし、起こしてはいけません。
それには患者さんへの啓蒙活動、教育活動が、本当に重要なのだ、と反省しなければなりません。
今どうなっているのか、とても心配ですが、来られないことにはどうしようもないのが、我々の仕事なんです。
そこの所をよくよくご理解いただき、真面目に安心出来るまで治し切る、と言うことを知っていただきたい、です。
勝って兜の緒を締めよ、です。
インプラント治療を甘く見ては、後々後悔することになるでしょう。
そうならない、真面目にちゃんと取り組む。
宜しくお願いします。