フランスの男はある意味、欲望に素直だと思う。
というのも、たとえパートナーと一緒に歩いていても、赤ちゃんを乳母車で押しながらあやしていても、好みの女性、もしくはそそられる女性が近くを通るとガン見するのである。
その「ガン見」はもの凄く、本当に素直にじーっと見る。
だから、道ばたでしょっちゅう女性に怒られている男性を見かけるが、よくよく会話を聞いてみると、「他の女性をガン見」していた為に怒られたというケースが多い気がする。
もちろん、どんな男性でも、彼女と一緒でも奥さんと一緒でも、他の女性を見てしまう事は普通だけど、例えば日本人男性だったら、もの凄くうまくチラ見する。
ダーももの凄くうまくチラ見していた。
まぁ、いくらチラ見でも、女性にはばれるのだけれど(笑)でも、自分と会話している時に他の女性にあからさまに釘付けになっているよりは、怒る気がしない。
が、フランス男はチラりとは見ない。
一昨日こんな事があった。
街をふらりと歩いていて、目の前に接吻をしているカップルがいた。
何気なくそっちを見てしまうと、接吻中の男性がワシの方をじーっと見ながらウインクした。
す、凄まじい。
そんな愛すべきフランス人男であるフラ男。
やはり彼もセクシーな女性や美人な女性をじっと見る。
ワシ「いーなー、フラ男は。家から一歩出たらすぐに恋に落ちれるじゃない」
フラ男「え、あ、え!な、なんでそんな事言うの?」
ワシ「だって、今、あの超ミニスカートで胸の大きい金髪女性を目で追ってたでしょ。いーよね、あなたは。そんな程度の事で興奮できてうらやましい。女性は違うからね」
フラ男「ちょ、ちょ、ちょっと、他の女性何て見てないよ(←目が泳ぐ)第一、ねずみっ子は、カッコいい人がいたらみないの?」
ワシ「うーん、少しは見るけど、あなたの様にじーっとは見ないし、興奮もしない」
フラ男「別に興奮してるわけじゃないけど、でも、ついつい見ちゃって・・・」
ワシ「映画でもそうだよね。きれいな女優さん出ると目がキラキラして」
フラ男「そー言えば、キミは好きな俳優さんの話しとかしないね。どーゆー人をカッコいいと思うの?」
ワシ「俳優・・・カッコいいって、キアヌは好きかなぁ。特に、小太りで面白く無い映画に出てる時のキアヌが好き。こだわってるって感じで」
フラ男「・・・それって、見た目のかっこよさじゃなく、ちょっといっちゃってる部分が好きってことだね?」
ワシ「そんな事無いよ。後はマチュー・アマルリックとか・・・」
フラ男「完全にいっちゃってる人好きだよ、それ。あ、だからか、ボクの事、変わってるって思わないの」
ワシ「あぁ、あなたはビューギャルソンなだけで、全然変人じゃないよ」
ビューギャルソン、とは、いい歳をした独身男性のこと。
近年、定義は多様化しているが、都心に住むビューギャルソンの多くは、自分の生活リズムを崩されたく無いので、基本結婚もしたく無ければ、子どもも欲しく無く、共同生活が嫌なため、経済的そして精神的に独立している女性としか付き合うのが難しい男性。または、同棲は結婚していても、独身時代の自分の生活リズムを変え無い人。
フラ男「変人といえば、ねずみっ子はペレック(フランスの小説家、エッセイスト)も好きだよね」
ワシ「ペレック、カワイイじゃなーい(>m<)変人とは思わないけど・・・。でも一番好きなのはブラームス(はい、あの作曲家の)全てがいい」
フラ男「ってことは・・・あ、分かった!キミ、ビューギャルソン好きなんだよ!」
ワシ「えええええ!?」
フラ男「だって、キミのダーもビューギャルソンだったんでしょ?」
頭に雷が落ちた。
そうだ、一緒には住んでいたし、最終的にパックス(事実婚)はしたけど、基本的にダーもビューギャルソンの部類だ!
ワシ、今まで、無意識にビューギャルソンを選んでいた・・・と。
フラ男「ねずみっ子は、マドモワゼル・ビューギャルソンだね!」
嬉しく無い、こんなタイトル、嬉しく無い!
あ、
でも、
ワシだって、みかたによってはビエイユフィーユ(ビューギャルソンの女性版)か。
結婚もしたいと思わないし、誰かと一緒に住みたいと思わない。
仕事や自分1人の時間をもの凄く大切にしたい。
でも、パートナーは欲しいと思っている。
独立した2人が、一緒の時を過ごして経験を分かち合う。
それが理想のパートナーの在り方かなぁって思うからね。
うむ、これは立派なビエイユフィーユかもしれない。
って、まぁ、接吻中に平気で他の女にウインクする輩が多い国だから、大人になったら自然とビエイユフィーユになっちゃうよ(^^;)
と言うわけで、そんなビューギャルソンなフラ男と、来週から1週間、アルプスに行ってきます!