腰と脚に痺れがくる症状だった。
前屈できないから靴下履くのも苦労する状態だった。
3か月前から助けて欲しいと言われていたものの
アメリカ オーストラリア マレーシア フィリピンを
まわっていた為、今日になってしまった。
会う早々両手を合わせてサワディーカップすると
自分がどんなにひどい腰痛なのか話し出した。
いつものように通訳は金丸氏にお願いしている。
この金丸氏はいつも腰痛患者様を集めては
紹介してくれる腰痛エージェントなんだ。
こないだは王室関係者の腰痛を治せとか
最高検察庁で治療しに行ってこいと
無茶振りしてきて。。
俺がタイの中枢に
入り込むことが出来るのは彼のお陰なんだ。
この後は麻薬取締局の一番偉い方に
会いに行くことになっている。
ところでこの巡査部長の腰痛は五分程で
この痛みは全てなくなり、彼はもう少しで
床に手が付きそうなくらいにまで前屈が可能となり
痺れが完全に抜けたことを笑いながら表現していた。
金丸氏の通訳を介さなくても
その喜びは充分に伝わってきた。
それを見ていた警察署のオバさん
(多分、オバサン婦警さん)が言った。
私の肘も診てもらえないでしょうか？
この肘は一年以上前から痛みがあり
手に力が入らなくなって、よく痛みのために
ヤカンやシャワーやコップを落としてしまうと言った。
大腰筋をリリースするとたちまち力が
入るようになり飛びついて喜んでくれた。
それを観ていた別の警察官がやって来て
自分の首はどうにかならないかと尋ねた。
上を向いても横を向いてもその度に
首がゴリゴリ音がして痛いんだと言うんだ。
コレは大腰筋の調整をしても
症状の改善は見られなかった。
ナルホド純粋に首か悪いのかな？
そう思って胸腰椎移行部辺りを触れて分かった。
反り腰ではなく反ってるのは胸椎からだった。
これを正すと首はオモチャの人形のように
グルングルンまわしても痛くなくなった。
後ろを向くと腰痛の警察官たちが並んでいた。
ドヒャー（;￣O￣）
最後にやってきたオバさんは五十肩だった。
痛みを辿っていくと左肩から肘、
手首も動きがワルくどの動きも肩に響いた。
額にはシワがビシッと入っていて
上肢を観ながら聞いてみた。
「日頃から大変な生活してるのではないですか？
家族の為に働いていて、自分にナゼ自分だけ
こんなに大変な思いをしなければ
ならないのだろうかて思ってませんか？」
と聞いてみた。
通訳の金丸氏が聞いたときは
ハッ？何の話？て顔していたんだけど
ポツリポツリ話し出した。
「通常60歳で定年で、本当ならば
もう働かなくていい年なんだけど
60過ぎても家族のために私だけが働いてます。
年老いた両親と子供のために。疲れてます。
なんで私だけ？と思うこともあります。
仕事は単調作業ですが、この肩の為に仕事するのが大変です」
「カラダがワザとストップかけてるのかもしれないですね。
不満が痛みを作っているのでしょうね。
家族のためだけに生きている自分に潜在意識の中で
腹が立っている。家族は愛しているでしょう。
でもカラダはもしかしたらそう感じていない。
自分の幸せの為に生きていないと思ってないかな」
そこまで聞くと彼女は涙目で全くその通りだと言った。
「どうしたらいいでしょうか？」
「家族に対して、自分に対して優しくなってみて
ください。許せない気持ちを探してみてください」
いくばくか症状は改善したがまだバンザイ出来るわけではなく
治療は成功したとは言えなかったが彼女の顔は輝いていた。
何か引っかかったものがなくなった顔をしていた。
そして娘に会ってください。あなたを紹介したい(^^)
え？なんで？
娘の写真を見せたオバサンにタイプじゃねーな
と言ったけど金丸氏は敢えて訳さなかった。
それは伝えない方がイイですね。と。
オバさんは抱きついてきて何度も
コップンカーすると帰っていった。
ところでこの警察署には機動隊員カフェ
というのがあって機動隊女子が店員をやっているんた。
そこの店員さんが可愛くて恋しそうになりますた（＾Ｏ＾）
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