カンクンの空港でWi-Fi買ったのに、いざ送信しようとするとできねーの!

仕方ないので宿代以上の金払って高級ホテルから送信だ~!


〈続き〉

〈テレビも無エ ラジオも無エ
自動車(くるま)もそれほど走って無エ〉

で始まる歌。

懐かしい~。

〈俺ぁこんな村嫌だぁ~〉と続く。

若いやつは知らないんだろな~。

〈ピアノも無エ バーも無エ
バスは一日一度来る
ギターも無エ ステレオ無エ
生まれてこのかた見だごとア無エ〉

ここ、メノニータ達のコロニアは、そのまんま。

バスは一日一往復。近くの街まで。

〈薬屋無エ 映画も無エ たまに来るのは紙芝居〉

紙芝居?

そんなナウでヤングなものが来るなんて、素敵な場所じゃないか。

ここにはないぞ。

〈ディスコも無エ のぞきも無エ
レーザー・ディスクは何者だ?〉

Wi-Fiは、意味が通じなかった。

確認したが、知らなかった。

言えば理解はしたけど。

ちなみに、レーザーディスクが最新だった時点で、この歌も相当昔のものであることが分かる。だけど…。

〈新聞無エ 雑誌も無エ たまに来るのは回覧板〉

回覧板もない。まずない。

そしてこの歌のラストはこれで終わる。

〈信号無エ ある訳無エ 俺らの村には電気が無エ〉

笑い事ではない。

レーザーディスクが最新だった頃、この歌がウケてから数十年、現代世界の話である。

電気が、ない。

日が暮れると、ランプに火を灯し、生活する。

テレビもラジオも、もちろんパソコンもWi-Fiも、ない。

俺の部屋の電気配線なんて、タコ足に次ぐタコ足になっちゃってて、どれがなんだか辿らなきゃ分からない状態。

それが全て、ない。

新聞・雑誌も、もちろんない。


冒頭の歌に戻ると。

車。

ない。

「移動は?」

「馬車だよ」

「馬車だけ?車はないですか?」

「馬車だけ。車はない。馬なら五頭いるけど」

(続く)

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