もちろん、Wi-Fiがない。

彼等の謎は、分からなかった。

が、ガイドブックを見ると。

載ってた!

メノナイト!

スペイン語ではメノニータ!

最初の方にチラと思ったが、冗談ではなく、何かの宗教だった。

とはいえ、あやしい宗教ではなく、クリスチャンのプロテスタント、メノー派の一つだそうで。

独自の信教を守るため、祖国を捨て、世界中を点々としながら質素な暮らしを続けているそうだ。

ちなみに彼等の話すドイツ語は、数百年前のものなので、ドイツ古語にあたるそうだ。


…道理でこの俺が真剣に聞いても分からないはずだ。

………。

……まぁ、現代ドイツ語だろうと分からないのは変わらないんだけど。

が、ガイドブックには四百年前と書いてあるし、一般的にはそれが通説らしいけど。

間違いなく彼ら本人が言ってた。

千二百年から千四百年前にドイツ を出たと。

全員が一緒に行動ではなく、別れたり加わったりもあるんだろう。

コルネリウスさんのエルマーナ(姉妹)はボリビアにいると言ってたし。

直接聞いた彼等の歴史。

およそ千二百年前、まずはオランダからドイツへ。

その後一つ場所忘れたと。

その後ロシア。四百年くらい。

1846(これは正確らしい)ロシアからカナダ。2000人くらい一緒に。

でまた百年位経った後、メキシコ。メキシコは二十年くらい。

その後56年間ベリーズ。

最初に知り合ったコルネリウスさんのお父さんはメヒコで産まれ、じいちゃんはカナダで産まれた。

そしてその地域リトルベリーセは、ドイツ人のみ。

近所も、学校も。

さらなる事実。


リトルベリーズは、メノニータしか土地買えない。

ベリーズなのに、ベリーズ人が土地買えないのだそうだ。

(続く)