〈続き〉
これが最初の方に撮れた横顔写真。実際のもの。
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エクアドルで最初からメーターを指差したタクシー。
おー、メーターで行ってくれるとは。
発展途上国で旅人相手にしてる奴等は大体すれて腐ってるのが多いが、中にはこういう人もいる。
乗ったのも束の間。
やけに素直に倒したメーターは、やけに勢い良く上がっていく。
おかしい。
まだエクアドル本土来てそんな経ってないが、すぐに気付いた。
少し見る。
やっぱおかしい！
今はスマホのGPS機能で、どこまで走ったかすぐに分かる。
これマジチョー便利。
…まだ半分くらい。
なのにメーターはすでに定価を超えている。
「メーターおかしいだろ！」と指摘するが、ふにゃふにゃ言ってスッとぼけてそのまま行く。
……。
まったくよ～。
エクアドルはわりと治安も良くて安心してた。
まぁいい。
俺には通用しない。
行けよ。
麓付近まで付いた。
なんかグツグツ言ってる。
もうこの辺でいいや。
メーターがおかしいことに対して、うんおかしいよとは言うわけもなく。
チャカチャカ上がっていったメーターは、定価の二倍以上。
正規メーターならば三分の一以下だろう。
スマホのカメラで、運転手や車のナンバーを撮る。
運転手はひたすらに顔を隠す。
悪いことするヤツは、証拠を残されるのが嫌いだ。
これ見よがしにシャッター攻撃。
…顔を隠した写真はいらないので全て消したが、今考えればそれも取っときゃよかった。
やましい事がないなら顔隠す必要ないだろ。
「早く金払え！」
顔を隠しながらそれでも言う。
まだ言うか！
「このメーターはおかしい。一緒に警察行くか、見逃してやるからこのまま立ち去るか、どっちがいい？」
「いいから早く金払えよ！」
「じゃあ警察行くか」
その間も、すきあらばカメラのシャッターを切る。
運転手はひたすら顔だけは隠す。
車のナンバーを撮った。
車の外から、窓の中に手を伸ばし、シャッターを切る。
ほらほら、証拠は抑えてるんだぞ？
…その時だった。
……形勢有利な俺は、完全に油断していた。
続く
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