京太郎vs石田の日本ヘビー級タイトルマッチ。
前回判定に疑問符のついたこの試合、今回こそ完全決着なるか。
・・・どっちも知り合い。
狭いボクシング村ではよくあることだけど。
・・・今日話してて気付かされたんだけど。
ボクシング「界」じゃないね。
世界が狭過ぎる。笑
ボクシング「村」だと。
皆が皆顔見知り、みたいな。笑
ちょいとした噂、皆が皆知ってる、みたいな。
・・もとい。
京太郎は生粋のヘビー級。
日本にスパー相手がいなくてオーストラリアに行くのを、旅とボクシングの経験を活かして自分からアテンド申し出た。
通訳、交渉、トレーナー、何でもしますよと。
当時自分も現役で、自分の武者修行にもなっていい経験だった。
インドネシアの国民的英雄クリス・ジョンも同じジムで調整してて、スパーできたのもいい経験だった。
数年前のブログの記事完璧に覚えてる人などいないと思うのでざっくり言うと。
世界タイトル10数回防衛の怪物王者クリス・ジョン。
彼のボクシングは、見た目メチャメチャヘタクソだった。
最初見た時は絶対本人じゃないと思った。
スパーしたら強かったが、それでも世界チャンピオンのパフォーマンスじゃなかった。
いかに本番力が大切かということを、痛感させられた。
・・ちなみにクリス・ジョン、キャンプ中のある日早朝突然誰にも何も言わず、インドネシアに帰った。
気付いた時にはすでに飛行機の上という。
・・天才ってのは、大抵少し変わってるとも再確認。
京太郎のキャラも際立っていて面白かった。
「佐々木さん、オージービーフは絶対牛なんですか?」
禅問答のような不思議な問いを投げかけてくる。
「え?どゆこと?」
「オージービーフって、絶対牛だけなんですか?豚とか鶏とかは絶対違うんですか?」
「・・・お前、ビーフって英語で何だと思ってる?」
「・・・・・・・・・・あぁ!!」
日本人のくせにモロオーマイガッのポージング。
「・・・さすが佐々木さん、ことあるごとに早稲田出身を存分に発揮してきますね!」
ニヤリと笑みを浮かべながら、意味ありげに言う。
わざわざ早稲田行かなくとも、ビーフは牛である。
「いいですか皆さん、ビーフは英語で牛って意味ですよ!」なんていう授業は早稲田大学にはない。
ともかく、面白かった。
対して石田順裕。
俺と同い年の39歳。
・・・・この歳までボクシング続けるのは、本当に大変だから!
敵地アメリカで、当時無敗の世界ランカーに勝った事もある。(この試合はリング誌の
アップセットオブザイヤーにも選ばれた。年間最高番狂わせ。)
敵地ということに特に弱い日本人が多い中、同じ日本人として誇らしい。
また海外アップセットの先輩として、「海外挑戦の心得二つ」を教わった。
・・もう一回言っちゃおうか。
「周りがどんなだろうと、リングの中にいるのは相手と自分のみ。周りを一切気にせず、相手にのみ集中する」
「勝てば番狂わせと思えば、余計な気負いを持つ必要はない。気負わず、のびのびと、思い切りいけばいい」
これは後の自分の海外世界挑戦の際にも、大いに役立った。
リングの中の相手にのみ集中すること、気負わないこと。
海外でやる際の、座右の銘と言っていい。
オーストラリア合宿に同行した際、スパー相手がいない時には仕方ないから俺が京太郎の相手をした。
・・・K-1で活躍したピーターアーツって知ってるよね?
京太郎、K-1時代にピーターアーツをKOしてるから!
そんな日本人いたのかー!って思った。
俺とはもちろんスパーリングでなく、マスボクシング。
拳に力を入れないやつだ。
それでも、京太郎のパンチは重かった。メチャメチャ重かった。
・・・しかしあくまで当時だけど、技術的にはまだまだ雑だった。
キックの癖がまだ抜け切らないくらいの頃だったしね。
あとヘビー級はスピードがあんまり重要じゃなくなるってのも大きいけど。
当時はまだまだ世界に通じるレベルではなかったのも知ってる。
石田はどうか。
キャリアも長く、その実力、技術は証明済み。
ただ、スーパーウェルターって言ったら、俺がやってたウェルターの一回級上なだけだからね。
ほぼ俺の重さの体格の人間が、ヘビー級と戦うと。
やると言ったのは石田なんだから、仕方ない。
技術か、重さか。
テクニックvsパワー。
これは、ボクシングとしても単純に面白い。
試合開始。
やはり、基本的なボクサーとしての完成度は石田の方が上。
そうじゃなきゃ一階級違えばパンチの質が異なるボクシングで、勝負になるはずがない。
やはり石田が試合をコントロールするのかなと思うところで。
ガツンと京太郎のパンチが入る。
京太郎、ボクシングの組み立てとかは上手ではないが、あの当てカンと破壊力は相当なものだ。
試合始まってからもなお最後まで目が離せない。
・・くそーまた明日にしたいが今日は、じゃなくって明日は村田と三浦がある!
書いておこう!
1R途中。
クリンチ離れ際。
ガード下ろしてる所に、京太郎がパンチ入れた。
これは、反則ではない。
けど、あまり品のいいものでもない。
・・・これが、拳の会話。
「この試合、ダーティーだろうがクリンチ際打っちゃうからね」と。
「覚悟しろよ」と。
だから、あんまりフルスイングではなかった。
オラ打っちゃうよと。
・・・そういえば完全にゴング後にフルスイングパンチ振ってきたヤツとかもいたな・・。これは品がないだけでなく明確な反則なのでやってはならない。
・・ただ、この1Rの拳の会話のおかげで、クリンチ際ポコポコ打ち合う展開も長くなった。
クリンチは、離すならキッチリ離して欲しいと現役時代いつも思ってた。
ただ単にクリンチしてる手をパンってレフェリーに叩き落されても、相手に打つ隙を与えるだけだ。
ちゃんとブレークした時には打ってはいけないので、クリンチしながらだらだらポコポコせこいパンチを打ち合う必要もなくなる。
それに気を付けて見たことないけど、あんなにただ単にクリンチの腕を叩き落とすのは日本くらいじゃないだろうか。
6ラウンド。
京太郎の右ストレートを、石田スリップアウェイ。
パンチをガードでもなく完全に避けるでもなく、顔を背けて受け流す高等技術。
完全に受け流してるんだけど、京太郎サイド大盛り上がり。
分かっててわざとの人もいるんだろうけど、分かってなくてガチで盛り上がってる
人の方が多いように見受けられた。
やっぱこれ当たったように見える人も多いのかな。
先日の素人にボコられた動画より抜粋。
ジャブから
パンチが当たる直前。
この時点ですでに顔動いてるの分かるでしょ。これはホントほぼ同時の作業だから。
右から左へ受け流す!ちゃらちゃっちゃっちゃらっちゃー♪
ユーチューブで見ればもっと分かりやすいと思う。
https://www.youtube.com/watch?v=qDOq-DCiKaE
開始47秒の辺り。
この辺りの石田の集中力、もの凄かったのが伝わってきた。
途中採点発表。一者ドロー、二者石田一ポイント。
ほぼドロー。
石田の方が上手いんだけど、京太郎の当てカンと破壊力。
スリリングなまま最終ラウンド。
判定。
京太郎。
・・・・・・・・う~~~~ん。
・・・疑惑とまではいかないけれど。
前回を見てないので何とも言えないけど。
二者同一の判定ですでに手を上げかけてた石田。
ちょっと可哀想な判定だったかなと・・・。
石田、同い年なんだよな。
この歳で同じコンディション作るのは、次はもっと難しくなる。
競ってはいただけに、明らかにおかしい判定とまでは言えないが・・。
歯切れの悪くなる判定ではあった。
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前回判定に疑問符のついたこの試合、今回こそ完全決着なるか。
・・・どっちも知り合い。
狭いボクシング村ではよくあることだけど。
・・・今日話してて気付かされたんだけど。
ボクシング「界」じゃないね。
世界が狭過ぎる。笑
ボクシング「村」だと。
皆が皆顔見知り、みたいな。笑
ちょいとした噂、皆が皆知ってる、みたいな。
・・もとい。
京太郎は生粋のヘビー級。
日本にスパー相手がいなくてオーストラリアに行くのを、旅とボクシングの経験を活かして自分からアテンド申し出た。
通訳、交渉、トレーナー、何でもしますよと。
当時自分も現役で、自分の武者修行にもなっていい経験だった。
インドネシアの国民的英雄クリス・ジョンも同じジムで調整してて、スパーできたのもいい経験だった。
数年前のブログの記事完璧に覚えてる人などいないと思うのでざっくり言うと。
世界タイトル10数回防衛の怪物王者クリス・ジョン。
彼のボクシングは、見た目メチャメチャヘタクソだった。
最初見た時は絶対本人じゃないと思った。
スパーしたら強かったが、それでも世界チャンピオンのパフォーマンスじゃなかった。
いかに本番力が大切かということを、痛感させられた。
・・ちなみにクリス・ジョン、キャンプ中のある日早朝突然誰にも何も言わず、インドネシアに帰った。
気付いた時にはすでに飛行機の上という。
・・天才ってのは、大抵少し変わってるとも再確認。
京太郎のキャラも際立っていて面白かった。
「佐々木さん、オージービーフは絶対牛なんですか?」
禅問答のような不思議な問いを投げかけてくる。
「え?どゆこと?」
「オージービーフって、絶対牛だけなんですか?豚とか鶏とかは絶対違うんですか?」
「・・・お前、ビーフって英語で何だと思ってる?」
「・・・・・・・・・・あぁ!!」
日本人のくせにモロオーマイガッのポージング。
「・・・さすが佐々木さん、ことあるごとに早稲田出身を存分に発揮してきますね!」
ニヤリと笑みを浮かべながら、意味ありげに言う。
わざわざ早稲田行かなくとも、ビーフは牛である。
「いいですか皆さん、ビーフは英語で牛って意味ですよ!」なんていう授業は早稲田大学にはない。
ともかく、面白かった。
対して石田順裕。
俺と同い年の39歳。
・・・・この歳までボクシング続けるのは、本当に大変だから!
敵地アメリカで、当時無敗の世界ランカーに勝った事もある。(この試合はリング誌の
アップセットオブザイヤーにも選ばれた。年間最高番狂わせ。)
敵地ということに特に弱い日本人が多い中、同じ日本人として誇らしい。
また海外アップセットの先輩として、「海外挑戦の心得二つ」を教わった。
・・もう一回言っちゃおうか。
「周りがどんなだろうと、リングの中にいるのは相手と自分のみ。周りを一切気にせず、相手にのみ集中する」
「勝てば番狂わせと思えば、余計な気負いを持つ必要はない。気負わず、のびのびと、思い切りいけばいい」
これは後の自分の海外世界挑戦の際にも、大いに役立った。
リングの中の相手にのみ集中すること、気負わないこと。
海外でやる際の、座右の銘と言っていい。
オーストラリア合宿に同行した際、スパー相手がいない時には仕方ないから俺が京太郎の相手をした。
・・・K-1で活躍したピーターアーツって知ってるよね?
京太郎、K-1時代にピーターアーツをKOしてるから!
そんな日本人いたのかー!って思った。
俺とはもちろんスパーリングでなく、マスボクシング。
拳に力を入れないやつだ。
それでも、京太郎のパンチは重かった。メチャメチャ重かった。
・・・しかしあくまで当時だけど、技術的にはまだまだ雑だった。
キックの癖がまだ抜け切らないくらいの頃だったしね。
あとヘビー級はスピードがあんまり重要じゃなくなるってのも大きいけど。
当時はまだまだ世界に通じるレベルではなかったのも知ってる。
石田はどうか。
キャリアも長く、その実力、技術は証明済み。
ただ、スーパーウェルターって言ったら、俺がやってたウェルターの一回級上なだけだからね。
ほぼ俺の重さの体格の人間が、ヘビー級と戦うと。
やると言ったのは石田なんだから、仕方ない。
技術か、重さか。
テクニックvsパワー。
これは、ボクシングとしても単純に面白い。
試合開始。
やはり、基本的なボクサーとしての完成度は石田の方が上。
そうじゃなきゃ一階級違えばパンチの質が異なるボクシングで、勝負になるはずがない。
やはり石田が試合をコントロールするのかなと思うところで。
ガツンと京太郎のパンチが入る。
京太郎、ボクシングの組み立てとかは上手ではないが、あの当てカンと破壊力は相当なものだ。
試合始まってからもなお最後まで目が離せない。
・・くそーまた明日にしたいが今日は、じゃなくって明日は村田と三浦がある!
書いておこう!
1R途中。
クリンチ離れ際。
ガード下ろしてる所に、京太郎がパンチ入れた。
これは、反則ではない。
けど、あまり品のいいものでもない。
・・・これが、拳の会話。
「この試合、ダーティーだろうがクリンチ際打っちゃうからね」と。
「覚悟しろよ」と。
だから、あんまりフルスイングではなかった。
オラ打っちゃうよと。
・・・そういえば完全にゴング後にフルスイングパンチ振ってきたヤツとかもいたな・・。これは品がないだけでなく明確な反則なのでやってはならない。
・・ただ、この1Rの拳の会話のおかげで、クリンチ際ポコポコ打ち合う展開も長くなった。
クリンチは、離すならキッチリ離して欲しいと現役時代いつも思ってた。
ただ単にクリンチしてる手をパンってレフェリーに叩き落されても、相手に打つ隙を与えるだけだ。
ちゃんとブレークした時には打ってはいけないので、クリンチしながらだらだらポコポコせこいパンチを打ち合う必要もなくなる。
それに気を付けて見たことないけど、あんなにただ単にクリンチの腕を叩き落とすのは日本くらいじゃないだろうか。
6ラウンド。
京太郎の右ストレートを、石田スリップアウェイ。
パンチをガードでもなく完全に避けるでもなく、顔を背けて受け流す高等技術。
完全に受け流してるんだけど、京太郎サイド大盛り上がり。
分かっててわざとの人もいるんだろうけど、分かってなくてガチで盛り上がってる
人の方が多いように見受けられた。
やっぱこれ当たったように見える人も多いのかな。
先日の素人にボコられた動画より抜粋。
ジャブから
パンチが当たる直前。
この時点ですでに顔動いてるの分かるでしょ。これはホントほぼ同時の作業だから。
右から左へ受け流す!ちゃらちゃっちゃっちゃらっちゃー♪
ユーチューブで見ればもっと分かりやすいと思う。
https://www.youtube.com/watch?v=qDOq-DCiKaE
開始47秒の辺り。
この辺りの石田の集中力、もの凄かったのが伝わってきた。
途中採点発表。一者ドロー、二者石田一ポイント。
ほぼドロー。
石田の方が上手いんだけど、京太郎の当てカンと破壊力。
スリリングなまま最終ラウンド。
判定。
京太郎。
・・・・・・・・う~~~~ん。
・・・疑惑とまではいかないけれど。
前回を見てないので何とも言えないけど。
二者同一の判定ですでに手を上げかけてた石田。
ちょっと可哀想な判定だったかなと・・・。
石田、同い年なんだよな。
この歳で同じコンディション作るのは、次はもっと難しくなる。
競ってはいただけに、明らかにおかしい判定とまでは言えないが・・。
歯切れの悪くなる判定ではあった。
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