チェーンソーの安全講習1日目 もう蛍が飛んでいます | 馬森(まもり)牧場  千葉県南房総市・馬を感じる体験牧場

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鴨川某所にて、チェーンソーの講習会に参加しました。

今まで所有地で延々と単独で作業を行ってきており、そのことについて問題はないのですが、

「この先、仕事のひとつにしてみたい」と思い立っての参加です(*゚ー゚)

足に着ける防護ズボンは、乗馬と同じで「チャップス」といいます。

防弾チョッキのように身を守る硬い繊維が入っていると思いきや・・
長い紐のような繊維が入っていて、チェーンソーの刃が当たると一瞬でからみついて回転を止める仕組みでした!

講習中、3匹のヘイケボタルが飛んできました。

1センチくらいしかないので、気が付かない人がほとんどです。

今年はなんでも早いですね。

安全講習はとても丁寧なもので、話を聞いているうちにその理由がわかってきます。

5万人の林業従事者のうち、年に40人も亡くなっているという危険な作業だからです。

その6割がチェーンソーによる事故で、50~70代のベテランが多くを占めるということでした。
 

経験を積んで慣れてくると手順を省略したり、禁じ手を使ったりします。

その積み重ねが、いつしか事故につながるわけです。

体力も落ちていくわけですから、以前のように俊敏に動けないシーンも増えることでしょう。

 

山には蜂、ツツガムシ、ヤマビル、ダニが住み、漆などのかぶれる木、イノシシなどの獣もいます。

何かあった時に電波が通じて運よく救急車が呼べたとしても、救急隊が到達するまでに何時間もかかったりするのです。

心臓マッサージなどでケガ人を救護する人、助けを呼ぶ人がいないといけませんから、深い山での作業は最低でも3人以上ということになります。

 

伐倒作業前には「リスクアセスメント」という記録書を作り、「~するときに ~して ~なる」(どうする)という見積もりを作るのだそうです。

生木の杉は、細いほうの直径が20センチ、長さが4メートルで150キロにもなります。

凶器のような重さの生木を足場の悪い斜面で倒すのですから、危機管理意識を十分に持たないといけません。
 

下のイラストのように、重力の影響を受ける位置に立つのは厳禁です。

これで怪我をしたことは幸いまだないのですが、チェーンソーを下敷きにして2度ほどハンドルを壊しています。

疑問に思っていた目立て(刃研ぎ)の誤りについても、こんなに詳しく図解されていました。

過去に起きた災害事例を挙げる講習はとても興味深く、9時から5時まであっという間。

複数人で協力して行う危険作業ですから、本格的にチェーンソーを使いたいと思う人は必ず受けておくべき内容です。

乗馬されるお客様へも事前に簡単な安全講習をしていますが、今日の講習を受けてみて

「乗馬の事前説明ももっと丁寧に行うべきだ」と思い、良い刺激になりました。

 

帰宅すると、ちょうど日没。

津辺の山の山頂に夕日が乗る日もまもなくです。

明日は引き続き夫Tにお留守番を頼み、目立てから伐倒の実技になります。