あの日のこと 2 | ひとりっこの両親在宅介護ブログ(施設入所後)

ひとりっこの両親在宅介護ブログ(施設入所後)

娘に迷惑をかけまいと、老老・認認介護で限界まで二人暮らしを頑張った両親。でも、遂に限界突破。仕方なく実家に戻ってきて始めた在宅介護。一人っ子のため否応なくやらざる負えない。
平成27年4月じーじは旅立ちました。令和2年1月末、ばーば特養入所しました。

私の度重なる訪問要請に、たぶん少しは疑問を感じながらも、訪看さんは来てくれた。

これが、今日二度目。

その時の訪問看護記録。

『血圧176/91

いびき様呼吸あり SpO2 88%
上体起こし SpO2 90-92%

右腕 リンデロン1A 皮下注射』

「いつもより、血圧が高いね。それがちょっと気になるけど。手が冷たいね。こうやって上体を起こしておいて、水分だけでもとにかく飲ませてください。」

訪看さんが帰った後、買ってきたOS1ゼリーを一本全部飲ませた。

嫌がらずに飲んでくれた。

上体起こしの体制を保つために、背中に布団や毛布をあてがい、寝かせる。

時間は、午後6時。

この日は宅配の介護弁当だったので、ばーばにそれを食べさせる。

自分の分は作る気にならなかったので、卵かけごはんで済ます。

それから、洗濯物たたんだり、食器洗いしたり、家事をして、いつものように7時過ぎにばーばを寝かせるために、じじばばの部屋に連れていく。

じーじは、上体が起きているからか、呼吸に乱れは無く寝ている。

この日、仕事が忙しく、それまでの疲れもあり、二階の自分のベッドに横になる。

ちょっとだけ寝るつもりが、目が覚めたのは、午後10時半。

旦那が帰ってきている気配もない。

あ~、晩ごはん作ってなかったんだ。

そう思いながら、階下に降りていき、まず、じーじの様子をみる。

すると、口の中が白い痰でいっぱいで苦しそうにしている。

慌てて、口腔ケア用のスポンジで口の中をキレイにする。

ちょうど、この時に旦那が帰ってきた。

今にして思えば、痰と言うよりは、口から泡を吹いている状態だったのかもしれない。

背中から抱きかかえながら、
「じーじ、口の中キレイになったよ。」
「じーじ、わかる?」
「じーじ?」
呼びかけても、反応しない。

目は開けているものの、視線は定まっていない。

ばーばは、ずっと自分のベッドの上で、私とじーじのやり取りを見ている。

旦那を大声で呼び、持っていた携帯で訪看さんに電話をする。

私「意識がありません。」

訪看さん「息はしてる?」

私「かろうじて」

訪看さん「とにかく、少し時間はかかるけど、今から行くから。」

私「お願いします。」

電話を切り、じーじに再度呼びかける。

すると、少し大きくスゥっと息を吐き、目を閉じた。

胸に手を当てても、鼓動は感じられない。

脈をとっても、感じられない。

4月6日、午後11時15分。

もう一度訪看さんに電話をする。

私「今、息を引き取りました。」

訪看さん「えっ?そのままでいて。とにかくすぐに行くから。」

ほどなくして、訪看さんが来てくれた。

私の電話を受けても信じられなかったそうだ。
『娘さん、取り乱して何を言っているのだろう?』
そう思いながらも、エンゼルケアの準備をして来てくれた。

訪看さんが、その目でじーじの死亡を確認し、先生に電話をしてくれた。

日付けが変わろうとしていた。


続きます


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