「思考と直覚」人間の霊魂を思考/スピノザ102
ショーペンハウアーの充足理由律に一定の解を準備したのが、20世紀のフランスの哲学者、近代の自然科学的・機械的思考方法を克服、内的認識・哲学的直観の優位を説き、生命の流動性を重視する生の哲学を主張。1928年ノーベル文学賞受賞したアンリ・ベルクソン(1859年-1941年)です。「思考と直覚」を記す私にとっては哲学書を初めて取らせた人物です。教職以外の公的活動も多く、道徳・政治科学アカデミー会員、同議長、アカデミー・フランセーズ会員、国際連盟国際知的協力委員、同議長などを兼任。其の後、特派使節としてスペイン、アメリカにも赴き、大統領ウィルソンを通じて第一次世界大戦へのアメリカ参戦に尽力し、1927年のノーベル文学賞受賞、1930年レジオン・ドヌール最高勲章受勲の栄誉を得た人物。然し乍ら、数々の社会的名誉に煩(わずら)わされぬ聖者的な人格を全うし、占領下のパリに、ナチスが破格の申し出る特典をも拒みつつ、耐乏生活のなかで慎ましく生涯を終えた人物。「思惟(しい)することの高貴さに専一に仕えた人」とも評されているアンリ・ベルクソンの「時間と自由」は、其れ迄の、迷路的哲学が簡明に記され、哲学音痴の記者にも読み取れる内容でした。彼の哲学を巡る始原としての問は「存在と無」ですですが、アンリ・ベルクソンの「時間と自由」は私の疑念に応える著作であり、霊魂の問題にも作用しています。
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