「思考と直覚」人間の霊魂を思考/スピノザ148
時空(space-time)とは、時間の解釈を以(も)って自然世界を把握するために発案されたものです。遠くはギリシァのアリストテレスが時間を「運動量」であるとした理論を基本的に見直すものです。時間という概念を考えるときには、19世紀までの思考では、ニュートンの絶対時間・絶対空間という考え方が一般的でした。絶対時間とはなにものにも規制・制限されることはなく、それ自身が持つ性状で一様に流れるものであり、同様に絶対空間とはなにものにも規制されることがなく、其れ自体が一様に存在するとし、時間と空間は独立かつ不動のものであると考えられていました。我々が時間というと速さや加速の二次元グラフのX線上の基準線を思い浮かべますが、其れは其れとして、時間の流れを空間に取り込んだ謂わば世界の実相に見合った思考を幾何学的に解いたのが「時空」です。ところが其のニュートン理論を1905年アインシュタインが特殊相対性理論により訂正、時間と空間が互いに関連し合って1つの四次元時空間を形成するとします。これを時空と呼びます。動いている物体の長さや進み方が静止しているときに比べて縮んだり遅れたりする特殊相対論的効果は、時間と空間が互いにその一部を交換して生じるのです。
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