大東亜戦争中の1940(昭和15)年1月19日(金)、国策による農業用水確保する為の食糧増産と、戦争で不足するエネルギーを確保する目的で、水力発電が開始され、湯治で有名な玉川温泉の玉川酸性水が田沢湖に入れられました。玉川毒水と呼ばれる強酸性の水が流れ込んだ為、湖は酸性となり、魚が住めなくなり、田沢湖の固有種である国鱒(クニマス)も絶滅してしまい、戦争遂行の国策の犠牲となってしまいました。

 

※国策(こくさく)とは、国家が決定する政策です。

 

 

「田沢湖くにます未来館」に展示されている西湖で見つかった「クニマス」。

 

 

 

戦時中と云う事もあり、国策の前に、クニマスの保護に目が行く事はありませんでした。

 

 

 

田沢湖での絶滅後、1997(平成9)年4月、賞金50万円が掛けられたクニマス探しのポスター。

 

 

 

 

しかし、絶滅から約62年後、クニマスの稚魚が放流された西湖で絶滅した筈のクニマスが発見されました。発見者は、タレントの「さかなくん」さんです。西湖のクロマス・黒いヒメマスと呼ばれていた魚を不審に思い、鑑定してもらった所、クニマスと判明しました。

 

 

 

現在、玉川酸性水の中和作業を行っていますが、以前の生物が住める環境に戻すのは、いつの日になるか分からないそうです。

 

 

 

「田沢湖くにます未来館」から見える田沢湖。

 

 

 

現在の田沢湖は酸性水に強い「ウグイ」と云う淡水魚しか棲めないそうです。光り輝く田沢湖の生態系を破壊したのは、人以外の何者でもありません。

 

 

 

永遠の美貌と若さを得る為、竜の化身と化した田沢湖の主「たつこ姫」。その像が見つめる未来には、希望の光が差すような気がしてなりませんでした。近い未来に田沢湖が再び甦り、クニマスが棲める事を願って、私は田沢湖を後にしました、、、。

 

 

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