「海辺のカフカ」読み終わった。
615ページ/約15万語を27時間くらい。
日本語で読んだときよりも強力に引き込まれ、後半は一気読み。
●Kafka On The Shore
評価:★★★
運命に導かれたラブファンタジーとデコボコ逃避行、収束していく二つの物語。
例に漏れず読者を選ぶけど、おすすめ。
村上ワールドに乗れなけりゃ容赦なく置いてけぼりだけどな!
まず、立ち上がりから感情移入が困難。
これは訓練されたハルキストのおっさんでも擁護できない。
~~~導入部~~~~~~
いいとこのぼっちゃんが中二病発症
⇒タフに一人で生きなきゃ!(スクワットしながら)
⇒父親の書斎から金と携帯電話をくすねて家出
~~~~~~~~~~~~
その後も基本他人の助けに甘える「世界一タフな15歳」。
正直イラつくけど、少年の成長物語としてはリアルなのか。
家出の理由は後に判明するんだけど。
オイディプスの神話になぞらえた運命、父親の呪い。
んが、それに抗うどころか受け入れるってのはなんのメタファーなのだ。
これには性同一性障害の大島さんも苦笑い。
萌え大賞は、ポン引きのカーネルサンダースちゃん!
英語版でも面白い、星野とナカタさんの掛け合い漫才が僅差の銀メダル。
あと「僕は○○した」の英訳は非常にシンプルであった。(I come.)
エディプスの神話ときたら、七瀬三部作を読みたくなるのが人情というもの。
しかし、筒井康隆の英訳版はお高くて中古流通がない。
次もまた村上作品、日本語版も読んでない短編集「めくらやなぎと眠る女」。
「試験に出ない英単語」は馬鹿馬鹿しくて非常によかった。