シドニィ・シェルダン108円古本シリーズ5冊目。
シェルダン節全開、ハイクラスな登場人物にアメリカン展開の正統派サスペンス。
392ページで8万3千語、12時間程度。
●Memories of Midnight
評価:★★★
これは文句なし、面白かった。
ただ、Amazonの日本語紹介文はおかしい。『無実のアメリカ青年ラリーは云々~』
序盤の肝となる内容をいきなりネタバレは、まあ許そう。
確かに内容を端的に表しているんだけど、ストーリーの本質からは外れている。
と思ったら、前作(真夜中は別の顔)を読んでればわかるらしい。
というわけで、本質を見抜く男(笑)の上からレビューがはじまるよ!
そもそも、主人公は殺されかけて記憶喪失になったキャサリン。
キャサリンに便宜を図るいかにも大富豪デミリス、そして過去の因縁。
記憶を取り戻しつつ、真実に迫り過去を精算する物語なのじゃよ。
お約束の色恋や殺人も盛り沢山、逆転裁判を彷彿とさせる法廷シーンもよい。Objection!
ゆーてもキャサリン、記憶は曖昧だし自発的に調べるでもなしの恋愛至上女子。
話を動かすのは常に周囲の人々で、そのゴタゴタを一部紹介したのがAmazonの紹介文。
関係者を片っ端から始末してヤブヘビつつくとか、デミリスさんマジ小物。
悪がキッチリ裁かれて、読後感はスッキリ。
「真夜中は別の顔」もぜひ読みたいけど、最近ブコフ洋書コーナーが不作でのう。
トリック関係はチープだけど、場違い感はない。27年前の作品だし。
最終局面で「殺し屋は誰か」みたいな展開があって、これもお約束的な。
鈍いおっさんでもピンときちゃった。コナン君のおかげだな。
ブラフで投入した名前付きモブキャラ3人、むしろ奴らの怪しい態度の理由は何だったんだ。
萌え大賞は同僚の計算機男ウィム、数字にしか興味がない天才コミュ障野郎。
いつか心を開くか、それともコイツが殺し屋か?とワクテカしてたら、
殺されそうなキャサリンを興味本位で観察しているただのサイコ野郎だった。