勉強も出来ない、運動も苦手、いつも宮下先生に叱られている、そんな小学生時代に私は、先生に一つだけ褒められたことがある。


クリスマスのクラス演芸会で、私は欽ちゃんのモノマネをやった。


当時、流行っていたフジテレビ『欽ちゃんのドーンとやってみよう』が大好きだった私は、女性用のカツラを被り着物まで着て欽ちゃんのモノマネをやってのけた。


カツラを被った私が教室のドアを開けて現れた瞬間、クラス全員を笑いの渦に巻き込んだ。


しかも、一番馬鹿受けしたのは宮下先生で、私が喋るたびに先生は大笑いしたのだ。


その頃、私は萩本欽一の弟子になるんだと友人や家族に息巻いていたくらいだから、欽ちゃんのモノマネは得意だったのである。


私は人前で演じたり、何かを発表したりするのは全く億劫でなかった。


だから、演芸会だけでなく、授業で社会見学をしたことをレポートにしてみんなの前で発表するということも積極的に行ったことが以前にあった。


演芸会が終わった後に、宮下先生がクラスメイトの出し物について総評した。


その時、先生は私の事を最後に取り上げた。


「真崎という男は、勉強はしないし出来ないし、運動もダメだし、おっちょこちょいでドジでやっせんぼ(役立たず)じゃっどん、人前で何かを発表させたり、演じさせたりしたら誰も敵わんど。
表現力は誰よりも優れちょっど。これは真崎のいいとこやらい」



毎日、先生に叱られて、良く立たされて、何一つ取り柄がないと思っていた自分だったが、宮下先生にそのように褒められたのは心底嬉しかった。


私は先生に褒められたこの場面を、昨日のように覚えている。


私が脚本を書き、演出、監督して役者をもこなすのは、これが原点かもしれない。


私は、表現力は誰より優れていると先生に言われて、その後の人生はひたすらそれを信じて邁進した。


たとえ、どんな人間であったとしても、その人には光り輝くものが必ずある。


私は弟子をはじめとして、出会った人は全てそのように見るようにしている。


学校というのは、勉強を学ぶことが全てではない。


勉強も体育も得意でなかったとしても大した問題ではない。


学校生活の中で、何か自分が得意だ、大好きだというものを見つけることだって大切な学びの場である。


『好きなことを見つけたら、それを一生懸命にやってみなさい』


黒澤 明監督の若者に向けた遺言である。


いつかそれが、ライフワークになるかもしれない。
 
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