今回はフランスで起きた同時多発テロのお話。

やっと少し落ち着いてきたので、在仏目線で感じた事色々を書いてみたいと思います。ご興味のある方はお付き合いくださいね。



先ずは前回のブログでも少し触れましたが、サッカーのフランスVSドイツの親善試合。この試合は開始前からフランス中の注目の試合でした。


何故かと言うと仏チームのエースがチームメイトへのゆすりで取り調べを受け、両者とも不出場処分になったから。


絶対的エースの不祥事に昼のニュースではあのジダンまでもが、「フランスのナショナルチームへの変わらないサポートを!」と言うコメントを出したくらいなのです。ゆすりの内容はプライベートで撮影されたビデオ画像を流すぞ、と言うもの。ビデオの内容が不倫相手とかじゃ無く、まだ奥さんで良かったよね、って話ですが。。。



と言うわけで、みんなが普段以上に注目の試合中にボーンと爆発音一回目。そして二回目。さすがに何かおかしいと思った観戦中のオランド大統領は、監視室に移動して何が起きているかの調査の命を出します。



そして丁度テレビを観ていた私達に、サッカー場の外で自爆テロ!のニュース速報が入り、えーー!!!とニュースにかじりついていたところへ、レストランで自爆、カフェで発砲、ライブ会場で乱射。。。次々と新しいニュースが入って来たのです。



増え続ける被害者、衝撃的な映像に大統領の緊急会見。結局その日は朝の3時過ぎまでニュースから目が離せませんでした。




フランスでは無かった規模の大きなテロに、フランスはとても強い衝撃を受けていました。と言うのも、テロ当日のお昼の時点ではパリで月末に行われる予定の国際環境会議の為に、国境の検査を強化しているというニュースが流れていたからです。それでも防げなかったテロリスト達の国外からの移動が問題になり、Sリストと呼ばれるイスラム過激派のブラックリストの欧州内での共有も議題にあがりました。




そんな感じで事件後しばらくはほぼ毎日の大統領演説で次々と色々な体制が変わり。宣戦布告だとの大統領の怒りの発言は各新聞の見出しになり。最近では兵役の男女3か月義務化まで国会で話し合われたほど。民意のアンケートでも過半数が賛成と言う状況です。




事件後しばらくは緊急事態宣言で美術館や映画館、デパートに学校等はお休みになったパリですが、それでも翌日からみんなが普通に外出をし(外出は控えるようにと言う指示、出てるんですけどね)、たくさんの人が被害地にお花やろうそくを手向け、テロには屈しず生活も変えないと言うフランス人流の意思表示として報道されました。



そして今は海外からの観光客の激減で困っている映像がニュースで流れます。今日はガラガラのモン・サン・ミッシェル。あんな状態、初めて見ました。




海外からはそんな状況で渡仏延期の多い中、パリでは逆に被害のあったお店にわざわざ足を運んで、そこで飲食をしてそのお店を少しでも助けたいと言う人も多いのです。




事件3日後にソルボンヌで大統領を迎えて行われた国規模の正午の1分間黙祷では、地下鉄も停止、いつも交通量の多い、あのシャンゼリゼ大通りを通っている車もみんな停止。今回のテロをみんなで考えて、みんなで乗り越えようと言うフランスは、その意思を実行で表していると感じます。
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そんな感じで毎日毎日ニュースにかじりついていた私に、色々な国の友人達が個人的に暖かいメッセージをくれました。被害者でもなければパリにも居ない私にまで心配りができる友人達の心の余裕を見習いたいなと思いました。本当にありがとう。素敵な友人が多いことをとても誇りに思います。




そんな間に世間では ”フェイスブックをトリコロールにするかしないか”みたいな記事も目に入って、急に評論家風に色んな事を言っている人にちょっとイラっとした私ですが。本当、そんな事どーでもいい。




ただ、フランス人でも無くてパリから1番遠い所に住んでいる私でさえ、連日連夜の悲惨な報道に心が痛んでニュースから目が離せない毎日だったから、フランス人なら誰でも多かれ少なかれ衝撃を受けていて。そんな気持ちに寄り添いたいと思うのは偽善と言われる物なのかしら?




日本が震災にあった時、日本に住んでいない私にさえも色々な国の友人達が暖かいメッセージをくれ、色々な国の方々がSNSでPRAY FOR JAPANとか国旗とか色々な方法で日本を気遣ってくれたことを、心からありがたいって感じていて。だからきっとフランス人もそう感じてると思うんだけれど、そういうのも感じない日本人が増えちゃったのかしら?
 



もちろんシリアやイラク、レバノン他、テロ意外にも色々な事が不安定な国の方々は日々とても大変な思いをされていると思う。 




でも私にとってフランスは他の国より近いから。近親者の不幸は誰でもそうなんだと思うけれど、やっぱり他の国より感情的になってしまう。きっとそう言う、フランスに友人が居たり、住んだことがあったり、旅行で印象に残っていたり、フランスに思い入れがある人も多いと思う。




だから逆にフランスって言うだけで何でもファッション性や流行りみたいな感覚で、そう言う善意に否定的に物を言う人を残念だと思うし、フランスだけは特別扱い良いよね、みたいなひがみもやっぱり残念だと思う。そしてパリの悲しみを共有しなさいよ!みたいな押し付けも違うと思う。




きっとシリアやイラク、レバノンその他の地域にフランスより思い入れがある人もたくさん居て、遺憾の意思表示や行動に移している人もいるばす。そういう人達に感謝の気持ちがある人は、そんな意味のない言い合いには参加しないと思います。



人の意見は人の意見として自分とは違うんだね、ふーんと聞き流す事が出来ないとか。
そういう考えもあるよね、と尊重できないとか。
自分と違う意見の人にはどうしても自分と同じになるように言いくるめないと気が済まないとか。
なんでこの正しい事がわからないの!と怒るとか。




そういうのこそテロの始まりだと個人的には思います。自分が信じる宗教以外認めない、自分が信じる正義以外認めない、そんな気持ちが極端になるとやっぱり戦いが起きるのかなって。

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今回のテロで毎日フランスのニュースを観ながら、色々な事を思いました。日本の体制やオリンピックの事を改めて考えさせれたりもしたし、被害者はもちろん、加害者になる様な洗脳も含めて、人はとても簡単に崩れてしまうんだなっていう事も。




好きな人にはたくさん好きって言おう、好きな事はたくさんしようって思ったのと同時に、東北の震災復興支援にまた興味を持ちました。





これは今回改めてフランス人から学んだ事。テロ直後からでも大統領自ら、フランスは負けない、楽しむ事もお祭りもパーティーもどんどん続けて人生を楽しむって。日本だと自粛、自粛なんですよね。こう言うフランスの強さ、良いなって思います。
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イスラム国の隠れ家的な物が次々と明らかになり、先週から緊急事態宣言で地下鉄までも閉鎖していたのを今日解除したベルギーのブリュッセル。少し前に行った時にはそんな地区があるなんて知らなかった私ですが。ブリュッセルはとても好きな街なので、今回はブリュッセルの写真を。






次回からは美味しい物のお話、どんどん行きますよー。年内に今年の美味しい物のお話、書き終わるかしら。。。




















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