【中国農村】中国のネットショッピングは、農村の年収を急増させている?
先日1月8日に放送されたNHKの特別番組
NHKスペシャル | 巨龍中国14億人の消費革命~爆発的拡大!
の中でも、大きく取り上げられていた中国の農村ECの現状。
■YouTube
この番組内にも登場する、中国中のチャイニーズ・ドリームを掴もうとする若者が集まる【タオバオ村】は非常に面白かったですね。
さて、番組内にも出てますが、中国の農村では、まだまだ所得は低く、平均年収が17万円とも言われています。
そんな中、先日、アリババの研究機関と西南財経大学が発表した調査結果<農村ネットショッピング研究報告2016>によると、
2016年上半期の農村ネットショッピング小売総額は3,160億元(約5兆3,000億円)を超え、前年同期比13.48%の成長しており、都市部を4%も上回っているようです。
年間でいうと、10兆円を軽く超えてくるわけですね。
日本のB2CのEC市場規模が、約13.8兆円なので、日本のEC市場規模並みに成長してるということです。
日本は、前年比7.6%で成長してますが、中国の農村では13.48%成長。
2倍近くの成長速度です。
↑【四川省川北県の農村タオバオ村】
更に、注目すべきは、
ネットショッピングが、農村の世帯平均年収を2万500元(約34万円)、農村の家庭資産を21.3万元(約360万円)も引き上げているという調査結果。
中国家庭金融調査センターの報告では、「データ上、ネットショッピングは農村の経済発展に大きく貢献しており、今後2、3年で更に、その傾向は強くなるだろう。」としています。
農村のネットショッピング規模は、全国のネットショッピング小売総額に占める割合も急増しており、2016年上半期には14.14%に到達。
農村ネットショッピング市場の特徴は、2点!!
●1点目
農村ネットショッピング小売総額は急激に成長しており、2016年度の上期では、都市部のネットショッピング小売総額の成長率を4%も上回っている。
都市部ですら、10%前後の急成長を毎年続けているのに、農村のネットショッピングは、すごい伸び方をしてますね。
●2点目
タオバオ村が急激に増加している。
2015年に全国のタオバオ村の数は、780件だったのに対して、
2016年には、既に1,311件にまで68.1%も増加している。
1年で、タオバオで販売するための村が500件以上も増加するスピード感がスゴすぎますね。。。笑
中国のこういった活力とスピード感には、本当に圧倒されるし、感心させられます。
農村のネットユーザー数は、2018年に2億4,000万人に達すると言われていて、更に、ネットユーザーに占める、ネットショッピングユーザー数も60%を超えると予測されています。
都市部と農村では、購入する商品の趣向が明らかに違うと思うので、その辺りも考慮した商品選定や広告戦略は、今後更に重要になってきそうですね。
ネットショッピングが農村で発展すると、物流やPC教育、ネットインフラ、金融サービス等のインフラ面が急激に整備されていき、農村エリアの生活が飛躍的に向上するといったメリットもあるようです。
アリババは、こういった農村エリアの出稼ぎ労働者が、農村で留守番をしている子供達と無料でビデオチャットができるサービス拠点を各所に設けているようです。
↑【湖北省嘉鱼界石村のタオバオサービスステーション】
中国は、1978年の鄧小平の【改革開放 - Wikipedia】から急激に成長してきましたが、【先富論 - Wikipedia】に基づいて、条件の整ったところから先に豊かになってきた影響で、農村部は取り残されていました。
ここへきて、ネットショッピングの力で、農村部にも【先富論】の恩恵が波及してきたのかもしれません。
中国政府は、これまでもこの広大な国土と14億人の国民の不満を反らすために、反日教育やエンタメ推進など、細心の注意を払って政治的な不安分子を排除してきましたが、ネットショッピングは、農村部の豊かさを押し上げて、思わぬ安定を生むかもしれませんね。
こういう記事を見ると、中国の潜在力の底知れなさをいつも感じます。
●参考ソース
●改革開放
●先富論
●鄧小平
●YouTube NHKスペシャル | 巨龍中国14億人の消費革命~爆発的拡大!