娘が弓を差し出しました。
弓を手にした先生は、重みを感じたり、様々な角度で観察したり、
弓毛を押してスティックとのバランスを見たり、フロッグのサインを見たりと、
かなり時間をかけてチェックしていらっしゃいました。
「ああ、やっぱり良い弓ですね。」
「この弓は、上海の職人が作製した弓でした。」
「ああ、新しい弓でしたか。最近は、中国にも良い職人がいるらしいですね。」
「日本人がわざわざ上海まで行って購入するくらい有名な職人らしいです。」
「あなたは、どこで手に入れたのですか?」
「上海です。」
「上海で購入したのですか?」
「そうです。」
「日本で扱っているお店はないのですか?」
「ないです。」
「そうですか・・・」
がっかりされたようでした。
ずいぶんと気に入ってくださったようで、もしも日本で扱っているお店があれば、
見に行かれたのではないでしょうか。
それにしても!
私は、夫が上海で弓を2本も!購入していたことを知りませんでした。
ヴァイオリンを購入したことは知っていましたけれど。
そのうちの1本を娘に渡していたそうなのです。
つい、3ヶ月程前までは、フランスで購入したオールドの弓を使っていたはずで、
私はこの日もてっきりその弓を使っているとばかり思っていたのでした。
その弓だったとしても、娘は作者の名前をしっかり記憶していなかったわけですが。
夫から譲られたヴァイオリンには、それまで使っていたフランスの弓よりも、
上海の弓の方がしっくりくることに最近気付いたそうで、
ここ3ヶ月程はそうしているのだそうです。
大御所的存在の先生は、しばらく弓を眺めていらっしゃいました。
良い弓の条件として、弓毛を強く押しても、左右にゆすっても、
「ぶれないこと」を挙げていらっしゃいました。
カスタードクリームワッフルとチョコクリームワッフル。
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