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日本SRGM連盟代表・日本アニマルライツ連盟理事・日本優生思想研究所研究員の日野智貴のブログです。いのちに線引きする「優生思想」に断固反対!(記事内容は所属団体の公式見解とは無関係の個人的見解です)

憲法新無効論(真正護憲論)Q&A


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「『日本国憲法』は憲法としては無効であるが、講和条約としては有効である」という、「真正護憲論」は、その賛否を置いていても、「憲法無効論は一理はあるが、講和条約というのは・・・・」というような方も多いと思います。

なので、とても身勝手ながら、私が「暴走」して、同年代のA,B,Cの三人との対話という感じで、真正護憲論にありがちな疑問への回答を、まとめてみました。

さらに失礼なことには、真正護憲論を提唱された南出先生や国体護持塾の方の了解を得ずして、書いております。私のこの文章は、国体護持塾とは、何の関係もありません。


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講和条約」の意味

A 暴走若人さん、『日本国憲法』のどこが講和条約なのですか?

若人 『日本国憲法』が講和条約として締結された、という意味ではありません。そうではなく、講和条約と評価される限りにおいて有効である、ということです。

B 「憲法」としてできたものを、「講和条約」として評価することは、法理論上、可能なのでしょうか?

若人 可能です。それを「無効規範転換の法理」といいます。

単独行為としては無効なものが、契約としては有効になる、ということは、民事訴訟などでも使われる法理です。

日本国憲法』の制定過程には、明らかな瑕疵があります。ここでは詳しくは触れませんが、例えてみると、時間がないので重要な書類にハンコを押し忘れた、みたいな感じになっているのです。

ですから、憲法改正に限界があろうが、無かろうが、『日本国憲法』は憲法としては成立しません。

日本国憲法』の制定過程は、『大日本帝国憲法』の改正という手続きを取りましたが、『大日本帝国憲法』の改正としては、無効なのです。日本による『大日本帝国憲法』の改正行為(単独行為)としては無効ですが、『大日本帝国憲法』の下で連合国と結んだ「講和条約」(契約)の範囲内では、有効だということです。

C 確かに、連合国を代表するGHQや極東委員会の了解の上に成立した憲法だから、一種の契約とは言えるかもしれませんね。

だけど、日本側の意見も反映されて、帝国議会の了解も得ていますよ?

若人 当たり前です。日本側の意見をまったく無視して、押し付けられたら、契約としても無効です。これは、ヤクザが丸腰の一般人に銃で押し付けた契約が無効なのと、同じです。

そうではなくて、講和条約というのは、一種の喧嘩を終わらせるための約束事みたいなものですから、日本側の意見が全く聞かれない、ということはありません。

なぜなら、当時はまだ戦争中です。日本には、『日本国憲法』を受け入れるぐらいなら、連合国と一億玉砕して闘う、という選択肢も、法律上はあったわけです。『日本国憲法』は、あくまで、大東亜戦争を終わらせるために、作られたものである、ということです。

だから、「講和条約」として有効、というわけです。

B あれ?『日本国憲法』ができた、1946年11月3日には、もう太平洋戦争は終わっていたんじゃないですか?

A 大東亜戦争は、1945年8月15日に終わりましたよ。

B 日本が降伏文書に調印した日も、9月2日ですよ。この時点で、日本政府は無条件降伏したのじゃないですか?

若人 『ポツダム宣言』では、あくまで「日本軍の無条件降伏」であり、「日本政府の無条件降伏」ではありません。

ドイツやイタリアと違い、日本は完全な無条件降伏はしていないのです。無条件降伏したドイツは、憲法も何もかも無視された状態で国土が分割され、いまだに正式な憲法典を持っていません。一方、日本では、仮に『日本国憲法』が有効であるとしても、それは、『大日本帝国憲法』が完全に無視されたわけでは、ありませんよね?『大日本帝国憲法』の改正という建前で、今の憲法ができた、と政府も主張しているわけですから。

また、「降伏」や「占領」によって戦争が終わるわけではありません。喧嘩で、相手を一時的に縛り付けたら、それで喧嘩は終わりますか?そんなことをしていると、相手を殺さなければならない羽目になるでしょうね。

国家同士の戦争では、そんな訳にはいきませんから、お互いが合意して、講和条約を結び、そこで戦争状態の終結を確認し、やっと戦争が終わるのです。

C そうだとすると、戦争が終わったのは、1952年に『サンフランシスコ平和条約』が成立した時、になりますね。

なら、『日本国憲法』ではなく、『サンフランシスコ平和条約』が講和条約なのではないですか?

若人 いえいえ、1952年では、まだ戦争が終わっていませんよ。

戦争状態が、国際法上、終了したのは、1972年に日本が中華人民共和国との戦争終結を宣言した時までです。そもそも、大東亜戦争のきっかけは、支那事変なのに、肝心の中国と平和条約を結ばないでいて、どうするんですか。

話を戻すと、講和条約には、「中間条約」ともいうべきものがあります。

ポツダム宣言』や「降伏文書」もその一種と言えますし、他にも『中間賠償条約』というのもあります。インドネシアのように、戦争状態を終結させる講和条約の成立が遅れた国とは、『中間賠償条約』を結んでいました。

『中間賠償条約』も講和条約の一種ですが、それによっては戦争状態は終結しない、「中間条約」なのです。

他に、「中間条約」の例を挙げると、韓国が「平壌政府」(北朝鮮)と結んだ「停戦協定」のようなものもありますね。「停戦協定」では、まだ朝鮮戦争は終わっていないのです。

日本国憲法』も、そのような「中間条約」の一種なのです。


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大日本帝国憲法』は現存している

C それなら、もし『日本国憲法』が講和条約だとしたら、今の憲法は、なんですか?まだ『大日本帝国憲法』が続いているわけですか?

若人 そういうことです。

大日本帝国憲法』の改正が成立していない以上、明治憲法が、良くも悪くも現存しているわけです。

A だけど、誰もそのようなことは言っていませんよね?

若人 それは、「偽札」を人々が使い、本物のお札を使わないのと同じです。そういう状態は、早く元に戻す(原状回復)必要があります。

B 話は変わりますが、「講和条約」はあくまで『大日本帝国憲法』の下位の条約ですよね?『日本国憲法』の『大日本帝国憲法』に違反する部分は、どうなるのですか?

若人 そもそも、講和大権とは、天皇陛下が、国家(憲法上では根本規範)を守るために行使するもので、それに基づいて成立した講和条約には、憲法に違反する部分があることも想定されています。

例えば、『ポツダム宣言』を日本が受託した時、日本の立法権は『大日本帝国憲法』では帝国議会にあるにもかかわらず、GHQは議会を無視して政府に「ポツダム政令」と呼ばれる政令を発布させました。これは、憲法違反ですが、『ポツダム宣言』の規定に基づいて行われているわけですから、合法なわけです。

日本国憲法』も、立法権に関する部分については、『ポツダム宣言』の場合と同じ解釈ができます。つまり、参議院の存在は、講和条約に基づいて成立した機関として有効であり、参議院を含む国会が法律を制定することは(『大日本帝国憲法』における貴族院を欠いていても)合法なわけです。

しかし、講和条約によって根本規範を変えることは、できません。根本規範の変更とは、国家のアイデンティティーを壊すということです。いくら喧嘩をしたとはいえ、勝った方が負けた方に「お前、死ね!」とは言えませんよね?それと同じことです。

なので、『日本国憲法』の『大日本帝国憲法』の根本規範に違反する部分は、無効です。

C 今でも『大日本帝国憲法』が現存している、と解釈できる事例はありますか?

若人 例えば『サンフランシスコ平和条約』が『大日本帝国憲法』の講和大権によって成立した、ということができます。


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無効論による憲法解釈

A それでは、新無効論の立場からは、どのような憲法解釈ができますか?暴走若人さんは、国体護持塾と全く同じ意見ではないそうですが、教えてください。

B まず、気になるのは、『日本国憲法』の第九条の解釈です。九条は無効なのでしょうか?それとも、憲法違反だが、根本規範に違反せず、講和条約として有効なのでしょうか?

若人 占領憲法第九条第一項は、講和条約としては、文句なく有効です。

戦前から、日本は『パリ不戦条約』に参加しており、戦争を放棄していました。

問題は、第二項の「戦力の不保持」と「交戦権の否認」です。これは、憲法違反ですが、講和条約としては、有効です。桓武天皇の頃に、日本は軍隊を廃止した先例もあります。なお、ここで言う交戦権の否認には、自衛戦争も含まれます。

B え?それだと、集団的自衛権どころか、個別的自衛権も行使できないのですか?

若人 もし、占領憲法が有効であれば、自衛隊の防衛出動はできても、敵地を攻撃することまでは、できませんよ。例えば、北朝鮮からミサイルが来ても、北朝鮮の基地は叩けないので、イージス艦で撃ち落とせなかったら、アウトです。

しかし、新無効論では、そうはなりません。

サンフランシスコ平和条約』第六条の規定により、日本は集団的自衛権と個別的自衛権を回復しています。『日本国憲法』はあくまで「中間条約」ですから、日本は自衛権は(集団的自衛権も含め)行使できるのです。

C それだと、日本は戦争ができる国に、なりますよね?

若人 いいえ。軍隊の不保持を連合国相手に約束しているのですから、戦力が欲しかったら、ちゃんと、連合国に、『日本国憲法』の破棄を通告しないといけませんよ。なし崩し的に、自衛隊のままで集団的自衛権を行使させたりしたら、世界の信用を失うだけです。

もっとも、破棄の通告は、憲法改正の手続きよりも簡単ですかね。安倍首相は、憲法改正をせずに集団的自衛権を行使しようとしていますが、そんなことよりも、真正護憲論を認める方が、よりスムーズで、立憲主義らしい方法です。

C 具体的に「根本規範」に違反する部分は、どこですか?

若人 占領憲法第一条の「(天皇の)地位は、主権の存する国民の総意に基づく」に部分ですね。

象徴天皇制自体はいいのですが、天皇の地位は『天壌無窮の神勅』に基づくわけで、それを否定することは、日本の国体を殺すことになるわけです。

先ほども言ったように、喧嘩に勝った方が、負けた方に「お前は死ね!」という契約を結ばせたところで、無効になります。

生活の党の小沢一郎代表も、ベニスの商人の例を挙げて、「近代法から言えばベニスの商人の『肉』をくれというのは無効。なぜか。公序良俗に反した公共の秩序に反した契約は無効ということ。人間は権利の主体であって客体にはならない、ということ。」として、「純粋法理論上、『日本国憲法』は無効である」としていますが、それは同じことを言っているのだと思います。

『肉』どころか『魂』をくれ、という契約(根本規範の変更、国体の破壊)が、有効のわけがないのです。


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憲法復原の手続き

A 『日本国憲法』を講和条約として破棄すると、連合国と再び戦争状態になりませんか?

若人 連合国とはすでに、戦争状態を終結しており、中間条約を破棄したぐらいでは戦争になりません。

C どこの国に破棄を通告したらよいのですか?

若人 極東委員会に参加していた、十一ヵ国です。

イギリス、アメリカ、ソビエト連邦中華民国、オランダ、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、フランス、フィリピン、インドの、十一か国ですが、このうち、ソビエト連邦ロシア連邦に、中華民国中華人民共和国に、変わっていますので、ロシアと中華人民共和国に破棄を通告するわけです。

B 台湾には、破棄を通告する必要はないのですか?

若人  まず、日本が戦ったのは「中華民国」であって、「台湾」ではありません。現在、台湾を中華民国を名乗る政府が占領しているそうですが、以前にこのブログで述べたように、私はそのような現状を承認していませんのでその政府を「台北政府」と呼んでいます。

日本は「台北政府」を合法政府としては、認めていませんので、通告の必要はないでしょう。


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