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ブルキナファソ・クーデター未遂にコートジボワール国家が関与?(1)〜事件の経緯

2017-10-12 15:00:12 | アフリカ情勢
昨日までの記事では、国際刑事裁判所(CPI)のコートジボワール裁判をめぐる、ある疑惑について述べてきた。ウェブ系メディア、メディアパールによるスッパ抜き記事である。

国際刑事裁判所は正義か?〜コートジボワール危機をめぐるスキャンダル
第一話 選挙後内戦とバグボ前大統領拘束
第二話 勝者による裁き
第三話 数々の疑念

そのメディアパール、こんどは10月8日、別の疑惑に関するニュースをリリース。2015年9月にブルキナファソで発生したクーデター未遂に、コートジボワールが国家として関与していた、というもの。このスッパ抜き記事が、当地でまたまた大きな反響を呼んでいる。

さながらメディアパール、コートジボワール祭り、である。



このブルキナファソ・クーデター未遂事件、このブログ『ぶら★アフ』でもリアルタイムで特集させていただいた。

ブルキナファソ・クーデターの見方

コートジボワールとブルキナファソの不穏な関係~ソロとジダ
第一話 捜査線上の人物
第二話 コートジボワール危機に介入したブルキナファソ


上記の記事でも、このクーデター未遂をめぐるブルキナファソとコートジボワールの不穏な関係、特にコートジボワール危機で北部勢力軍を指揮したギョーム・ソロ氏(現国民議会議長)と、ブルキナファソ・2014年の国民革命後の国軍政権奪取を首謀したイサック・ジダ暫定首相(当時)のただならぬ対立関係が取りだたされていた。そこではきな臭い話がいつもつきまどう、ギョーム・ソロ氏個人が関与していた疑いが噂された。


しかし今回のメディアパールの記事では、ブルキナファソのクーデター未遂事件を「史上最も愚かなクーデター」と述べ、コートジボワール政権そのものが、ブルキナファソにおけるクーデター未遂事件に関与したことを報じている。

クーデター未遂が起きた2015年9月16日は、ブルキナファソにとって、前年の国民革命によるコンパオレ体制崩壊、それに続く国軍の政権奪取から約一年。10月には大統領選挙が行われる、その前夜に発生した。首謀は大統領警護隊(RSP)のジルベール・ディエンデレ将官だ。

メディアパールは、ブルキナファソのフランソワ・ヤメオゴ予審判事から提供された文書に基づくもの。これによれば、コートジボワールの複数の高官が、直接的、間接的にこの政変劇未遂に関わったとしている。

クーデター未遂の後、囚われの身となったディエンデレ将官が予審判事に対し述べた事実。ブルキナファソの首都ワガドゥグからヘリコプターが飛び立ち、コートジボワールとの国境の町、ニャンゴロゴへ着陸。そこでたくさんの「ブツ」と「スーツケース」を1つ受け取った。ブツの中には発煙弾が、スーツケースの中には相当額の札束が詰められていたという。総額は、クーデター未遂に関与した旧コンパオレ政権側近、旧与党CDPのレオンス・コネ氏、UNDDエルマン・ヤメオゴが受け取ったと供述する金額と一致する。

メディアパールの報道によれば、ディエンデレ将官は、この支援がコートジボワール国軍でワタラ大統領の大統領特別参謀を務めるヴァゴンド・ネィオマンデ将官との連携で実現された、と述べているという。同氏は8,400万フランCFA(約1,680万円)を受け取ったものとみられるが、それがコートジボワールの特別参謀からもたらされたものかどうかにしては明らかにしていない。コートジボワール大統領府は、メディアの取材に対してコメントを差し控えたいと答えている。

もしこの報道、正しいとすれば、これまでギョーム・ソロの個人的関与が疑われてきたクーデター未遂、実はコートジボワールが国家として干渉していたことになる。ただごとではない。


(つづく)

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