舞台は江戸時代の紀州藩、今の和歌山県です。
町医者である華岡家の奥方は誰もが憧れるような評判の美人です。
その奥方から、息子の嫁にと請われ親の反対を押して嫁いだ女性。
はじめのうちは優しい姑でしたが、息子が医学の修行を終えて帰ってくると態度が一変、嫁姑の確執が始まるのでした。
息子は犬や猫を何百匹も使って麻酔の実験をして成功すると、
今度は生身の人間で試したくなります。
そこで、嫁と姑は自分を実験台にするようにと懇願します。
動物で上手くいっても人間にはどうなのか?考え悩みます。
最初は母親から実験しますが薬の量が少ないので半日で麻酔から覚めます。
次は妻の番、薬の量を増やしたため三日二晩でやっと目が覚めます。
母親と妻が交互に競うように実験し、最後は妻が失明してしまいます。
お陰で麻酔実験は成功し乳がんの手術も行う評判の医者となり、
たくさんの弟子をかかえるほど家は繁栄します。
有吉佐和子さんの「華岡青洲の妻」です。
何十年も前の小説を読み返して当時は気付かなかったけど
母親と妻の犠牲という美談ではなく嫁姑の醜い争いがありました。
「母親は自分を産んでくれた女、妻は自分の子供を産んでくれる女」
という言葉が印象的でした。
やはり嫁姑問題は永遠のテーマなのかもしれません。
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