「脳が認める最強の集中力 最新脳科学が教える自分を劇的に変える習慣」 | タカタカ先生の高望み日記

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本日は久しぶりにオススメ本のご紹介です。
 
 
紹介記事をまとめるのになかなか労力を必要とする事情で頻度が落ちている今日この頃ですが………その分、紹介したい!と思う本は厳選されたものとなっております(笑)
 
 
 
 
今回ご紹介する本は、「集中力」をテーマにした一冊です。


 
 
林 成之(著)
SBクリエイティブ
 


 
 
「集中力」は老若男女、どの立場の人にも共通して重要視されている能力なのではないでしょうか。
教え子の保護者の方からも「うちの子は集中力がなくて、何とかしたい」というお話をされることが多くあります。
 
 
集中力が高く、研ぎ澄まされているほど、仕事やスポーツのパフォーマンスが向上する。それが世界共通の暗黙知と言ってもいいのではないでしょうか。
では、集中力とは具体的にどのような能力を指すのでしょうか?
 
 
本書では、脳神経外科医である著者が脳科学の観点から、「集中力」の仕組み、それを高める方法を述べています。
 
 
 
著者曰く、集中力の正体は「集中力を生み出す脳の仕組み」。
 
 
(本文より)
脳の中で情報が巡るルートを知ることで、脳機能を使いこなす仕組みがわかり、それに伴って理解力・判断力・思考力といった能力を高めていけるということでもあります。
集中力も、理解力や思考力といった脳からつくり出される能力のひとつです。(以上、引用)
 
 
 
さらに、脳の部位毎の機能・働きを解説するとともに、その性質から集中力を高めるために有効な考え方、習慣を指南しています。
 
 
 
集中力を高めるには、脳に入った情報にポジティブなレッテルを貼ることが大切で、ポジティブシンキングがなぜ有効なのかを脳科学の観点からはっきり示してくれています。
 
 
 
また、多くのオリンピック選手のサポートに携わった経験もある著者らしく、スポーツに関わるエピソードも豊富にあるのも面白く、アスリートのメンタルトレーニングのヒントとなる内容も多いです。私自身、競技生活を通して感じていたことを解説してくれた気がして、とても納得できました。
 
 
 
はっきり言って、私はメンタルトレーニングには心理学よりも脳科学を学んだ方が有効だと考えています。
 
 
 
 
前回ご紹介した「PEAK PERFORMANCE 最強の成長術」もオススメ度MAXでしたが、今回も最高レベル。
ビジネスパーソン、アスリート問わず、お役に立てるはずです。
 
 
 
集中力を高める考え方、習慣を知るという意味では、子育て中の親御さんにも為になるかもしれませんね。
 
 
 
ご興味を持った方は、是非読んでみてください!!
 
 
 
 
 
アリーヴェデルチ!
 
 
 
 
【タカタカチェック】
 
●自ら「こうやる」と考え、そこに向かって「やってやる!」と強い気持ちをもち、全力投球で一心に取り組む。集中力とは、このような力です。
損得と効率重視の成果主義がよしとされるなか、集中力が生まれる仕組みから考えると、今の人たちにとって集中する力は最もつくりにくい能力となっています。
 
(中略)
 
ではそうした落とし穴から抜け出すには、どうしたらよいのでしょうか?
答えはひとつです。
脳がどのように機能してさまざまな能力をつくり出しているかを知り、無意識に集中力が発揮できるように脳を鍛え、自分を変えていくこと。それしかありません。
 
 
 
●外からの情報は五感、なかでも視覚や聴覚を通して、より多く脳の中に持ち込まれます。その情報の最初の受け皿が、脳表面に広がる「大脳皮質神経細胞」です。
ここには、みなさんも耳にしたことがあると思いますが、言語中枢、視覚中枢、知覚中枢、運動中枢、空間認知中枢などのさまざまな機能中枢があります。
外から取り込まれた情報は、大脳皮質神経細胞のそれぞれの機能中枢で「情報」として認識された後、脳の前方に位置する「前頭前野」にダイレクトに送られるものと、脳の奥深くに位置する「A10神経群」を通過してから「前頭前野」に送られるものと、二つのルートに分かれます。
 
(中略)
 
この前頭前野に至る二つの情報のルートのうち、集中力と関係してくるのが「A10神経群」を通過してくるルートです。
私は、A10神経群を通過してくる情報ルートを「ダイナミック・センターコア」と名づけています。
 
 
 
●集中力は、脳の中の「自己報酬神経群」から生まれてくるものである
 
(中略)
 
したがって集中力をつけるには、自己報酬神経群を動かす「自分からやってやる」という気持ちをいかにもつかが鍵といえます。
 
 
 
●集中力は自己報酬神経群、すなわち自分を認めてほしいという脳組織の「自我の本能」から生まれてくる能力ですから、高めるためには自らの意思で主体的に取り組み、そこから生じる喜びや快感をたくさん味わって、この本能を満足させることが必要です。
前向きに能動的に考え、動く。これを日常のなかで意識して増やしていくことで、「自我の本能」は満たされ、集中力も鍛えられていくのです。
 
 
●気持ちを緩めることなくいられれば集中力は保たれますが、安心したり、失敗を恐れたりしてしまうと、脳はとたんに集中しなくなるようにできています。
 
 
●「損得で考える」が、やる気や集中力の源である自己報酬神経群の働きを弱める発想だということを、みなさんのなかに今一度留めておいてください。
 
 
●私がこれまで指導してきた選手のなかには、金メダルの実力があるのに力を発揮できない人が何人もいました。練習では調子がいいのに、本番で結果が出せないのです。
そうした選手たちに共通しているのは、練習で全力投球していないということです。
結果を出すためにこうしたほうがいい、あれを取り入れると上達するといった情報はたくさん知っていて、それゆえ結果が出そうな「得になる方法」は一生懸命練習するのですが、そうではないことは手を抜くといった、脳の力をレベルダウンさせる練習の仕方をしているのです。
 
(中略)
 
がんばっても勝てないのは、普段から集中して全力投球していないからなのです。
 
 
●その内村選手が、あるとき大会後のインタビューで体操にかける思いを問われ、「自分の使命だから」と答えていました。自分のパフォーマンスを通して体操競技のおもしろさを広め、世界レベルで活躍する競技者を増やしたい。そこに損得の入り込む余地はありません。
 
 
●姿勢が悪いと体軸が傾き、目線も傾くことで、左右の目から脳に入ってくる情報にズレが生じます。外からの情報を正確に理解することができなくなるため、物事を正しく判断することができなくなっていきます。
情報のズレが生じる結果、脳全体の働きを悪くしてしまい、集中力をはじめ、思考力や理解力も生まれてこなくなります。体のコントロールも悪くなりますから、肉体的に疲れやすくなり、運動能力にも影響を及ぼします。
 
 
●物事の段取りが悪い、集合時間に必ず遅れる、数字に弱いなど、仕事の要領が悪い人や仕事が遅い人は、集中力だけでなく、空間認知能の働きが弱い可能性も考えられます。
 
 
●簡単なことから手をつけてみると、「理解し、思考することによって興味を喚起する」というかたちで脳を働かせることができます。項目を考えて打ち込む、簡単な問題を一問だけ解くなど、考える作業を少し入れることで前頭前野に「わかる」「できる」が起こり、「知りたい」本能が働いて意欲が生まれてくることがあります。
 
 
●緊張が引き起こさる状況になると、体力では自分を守ろうとする自己保存の本能に従って生理的変化が起こります。自律神経の交感神経が優位に働き出して、体の機能が活発化していくのです。
具体的には、脳の視床下部からカテコールアミンという物質が放出されて脈拍や呼吸を速め、血流を上げます。本番でのドキドキバクバクはこれによるものです。
カテコールアミンには筋肉を収縮させる働きもありますので、緊張が高まり過ぎると、筋肉の収縮が進んでうまく機能しなくなります。そのため声や手足が震えて力が発揮できない状態を起こすわけです。
 
 
●息を吸うときは交感神経、吐くときは副交感神経の働きが高まりますので、ゆっくりと深く息を吐く呼吸を意識すると緊張が抑えられます。
 
 
●事前に会場を下見しておくというのも、当日の緊張緩和には有効です。
こちらは「統一・一貫性の本能」を正しく使って緊張を和らげ、集中力を発揮しやすくするための方法です。
 
甲子園大会の出場回数が多い強豪野球部を指揮する、あるベテラン監督に次のような話を聞いたことがあります。その監督さんは、球場に到着すると最初に、選手たちに普段の練習試合のときと同じような何でもない用事を言いつけて、球場内をくまなく動き回らせるそうです。
そうすることで環境に慣れ、選手たちにとっては特別な場所である甲子園球場が、「いつもと違い場所」ではなくなり、普段と同じようなパフォーマンスが発揮しやすくなるというわけです。
 
 
 
●脳科学から「心技体」を語るとするなら、まず鍛えるべきは「技」です。なぜなら脳は技術=テクニックが最初にあってこそ機能する仕組みとなっているからです。
 
(中略)
 
世界の誰にも負けない「技」を磨くことによって自信が生まれ、そこから簡単には落ち込まない強い心が生まれてきて、誰にも負けない集中力を身につけることができるのです。
ですから、まずは「これだけは自分は負けない」と言い切れる技をもつようにしてください。