点字を学びはじめてちょうど1年。
たった6つの点で言葉を表記する画期的なシステムは、学べば学ぶほど奥が深い。
ほんのワンフロア分、エレベーターに乗った買物帰りのこと。
ふと、「開」ボタンの上に表示されていた点字が目に入った。
【アケ】
えっ?!
命令形??!
最近は開閉ボタンを三角形で表示しているボタンも多いが、私はあの表示が実は苦手。
いつも一瞬、どっちがどっちなのか戸惑ってしまう。
「開」「閉」と書いてくれた方がわかりやすいのだけれど、漢字の読めない子どもや外国人を思ってあの手の表記が増えたのかなと考える。
1964年の東京オリンピック開催時にピクトグラムが開発され、その後あの美しい記号が世界的に受け入れられたように。
「開」という字の訓読みはこう。
【ひら-く、ひら-ける、あ-く、あ-ける】
なので点字であれば【ヒラク】か【アク】という表記になるのが普通かなと思うのだけれど…
これは果たして間違いなのか、意図されたものなのか。
まぁ確かに、閉まりかけた扉を前に
「開(ひら)け!開(ひら)け!」
という気持ちでボタンを押す人はいるだろう。
「開(あ)け!開(あ)け!」
という気持ちの人もいるかな。
でも何というか…
表記がそもそも命令形というのは、何ともおもしろい。
【アケ】
切実だ。