医者から詳しく聞かされない医療情報:セカンドオピニオン

誤解と批判を恐れない斜め後ろから見た医療情報

心房細動に対する新しい抗凝固療薬イグザレルトの臨床試験のワーファリン群の脳出血が多すぎる件(その1)

2016年12月19日 | 循環器
米国心臓協会学会で発表するためにニューオリンズに行ってきました。
レイト・ブレイキング・クリニカル・トライアルの会場で以下の臨床研究の結果を聴きました。

Prevention of bleeding in patients with atrial fibrillation undergoing PCI
N Engl J Med November 14, 2016DOI: 10.1056/NEJMoa1611594
(インパクトファクター★★★☆☆、研究対象人数★★★★★)

これは、心臓の血管に対してステント治療をすると動脈系のさらさら療法として2種類の抗血小板薬を内服しなければならないのですが、そんな患者が心房細動の場合、静脈系のさらさら療法として抗凝固薬を内服しなければならなくなり、合計3種類内服しなければならないけれど、このような場合でも新しい抗凝固薬であるイグザレルトの効果は従来の薬ワーファリンと比較してどうか、という臨床研究です。

結果は、ワーファリンと比較して出血性の病気が少なかったので、新しい抗凝固薬であるイグザレルトの方が良い場合がある、ということでした。

原文はこちらです。

http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1611594


以前、心房細動に対する新しい抗凝固療薬エリキュースの臨床試験のワーファリン群の脳出血が多すぎる件(その2)

の記事で、新しい抗凝固薬であるエリキュースの臨床試験を計画した医者や製薬会社の人間は、トルコ、韓国、プエルトリコ、ウクライナ、フィリピン、ロシア、ルーマニア、中国、メキシコ、ブラジルなどでは上手にワーファリンでコントロールできないことを知っていて、自社の薬の成績を良く見せるために意図的に医療後進国臨床試験に組み込んだということをお伝えしました。

上の図の右側が今回の臨床試験に参加した国です。レイト・ブレイキング・クリニカル・トライアルの会場で表示されていました。

でました!国家ぐるみでドーピング、ハッキングしてもシラをきるロシアが265人も参加しています。参加人数はドイツの295人に次いで二番目です。その他、例のごとく、ルーマニア、メキシコ、ウクライナ、ブラジル、チリなんて国も参加しています。

よほど、ワーファリン群の成績を悪くしたかったのでしょうね。あ~あ、という感じです。

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