闇の(?)パープルアイ(赤城自然園 ―前編―) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

半分仕事、半分趣味で足を運びました。

渋川駅(群馬県)からシャトルバスが出ていますので

私のような車のない人間でも足を運ぶことは可能です。

土日祝日ですと朝10時発のバスがありますので

1日ガッツリ散策したいのであれば必ずこれに乗りましょう。

 

 

 

 

 

森が主体の赤城自然園ですが、こんなふうに渓流も流れています。

ちなみに手前に見える大きな葉っぱは、実はミズバショウ(水芭蕉)だったり。

ここでは花が3月末~4月頭にかけて咲くため、もう終わってしまっていたのです(汗)。

葉も大きくて目立ちますが、やはりあの特徴的な花(?)が印象に残る植物なので

気付かずにスルーしてしまう人も多いかもしれません……。

 

 

 

 

 

 

写真のキクザキイチゲのほか、ニリンソウイチリンソウなども見られました。

平地と比べると気温が低い分、若干花期が後ろ倒しになっていることは留意しておきましょう。

 

 

 

 

 

ここはイカリソウの数が多く、かつ種類も豊富です。

写真のような紫色のもののみならず……↓

 

 

 

 

 

 

セゾンガーデン内には、ちょっとサイズの小さいカラフルなものが。

 

 

 

 

 

 

王道の大輪(?)タイプのものは、後編で主に回る自然生態園の雑木林でよく見られます。

(便宜上、こちらで紹介しております)

 

藤野駅近くのカタクリ群生地では、カタクリの花期終盤からイカリソウが見られますが

ここ赤城自然園もそれは例外ではありません。ただ、上記の通り全体的に花期が後ろ倒しで

4月中半のこの時期にちょうどピークを迎えていました。詳しくは後編にて。

 

 

 

 

 

この時期はヤマブキソウというキンポウゲ科の花も見所でした。

バラ科のヤマブキとは違いますので、その点は混同しないように注意!

(花色までほぼ同じなので初見では確実に迷います)

 

花の上にヤブキリの幼虫がいました。

これである程度花のサイズ感がわかる……かな?

 

 

 

 

 

ツルハナシノブ。ブルーの花が目立ちます。

 

 

 

 

 

春の赤城自然園といえば、最大の見所はツツジの大群落。

でもさすがに4月はまだ花が控えめ。本格的な見頃はちょうど今くらいかも?

 

 

 

 

 

自然園としての側面が強い赤城自然園ですが、

セゾンガーデンにはこういう華やかな花園も楽しめます。

スイセン、シャクナゲなどが目立ちますね。

 

 

 

 

 

こ、これは……黄色いカタクリ!?

キバナカタクリという見た目そのままの名前で、セゾンガーデンの一角にまとめて植えられています。

在来のものではなく、アメリカ等を原産地とする園芸植物。

そのためか、後編でお送りする本家カタクリ群生地には一切生えていません。

 

 

 

 

 

山野草が限りなく自然に近い形で生えている赤城自然園ですが、

中でもぜひ春にチェックしておきたいのが、このシラネアオイです。

山野草の女王とも呼ばれるかなり大型の野の花。

どのくらいのサイズかといいますと……↓

 

 

 

 

 

偶然通りかかった園のスタッフさんと比較すると、その大きさがよくわかることでしょう。

俯瞰で見ると一瞬アジサイと勘違いしてしまいそうです。

 

ちなみにこのスタッフさんに伺いましたところ

このサイズまで成長するには、それこそ10年以上の年月がかかるとか……。

赤城自然園が今の形でオープンしてからまだ8年程度しか経っていませんので

一般公開前からじっくり育てられてきたことがわかります。

 

ちなみにこのシラネアオイもキンポウゲ科

セツブンソウ→フクジュソウ→ミスミソウ・ユキワリソウ・クリスマスローズ→

→ニリンソウ・イチリンソウ・キクザキイチゲ・シラネアオイ→

→トリカブト(汗)→レンゲショウマという流れでこの科は順次咲き代わっていきますが、

とりわけ早春期にはキンポウゲ科の花をよく見かけますね。

 

 

 

 

 

これは何だろう? シラネアオイとよく似ていますが……。

 

 

 

 

 

 

石砂山で見られなかったシュンラン(左)も確認できました。

一方でテンナンショウ(右)は時期が早かったらしくマダツボミ。

これまた、ちょうど今くらいの時期が見頃かもしれません。

 

 

 

 

 

スミレの仲間も多数確認できました。

林床部にはこんな赤い花のものも……。

 

 

 

 

 

自然生態園へと続くナナフシ橋で遭遇した、ハエトリグモの仲間。

やや陰になってしまいましたが、毛むくじゃらの脚と4つの青紫の単眼が秀逸です。

顔だけクローズアップするとまさにエイリアン……。

このクモ、後編にも同一個体と思われるものが登場しますのでご期待(?)ください。

 

そういやゴジラシリーズにクモンガという巨大蜘蛛怪獣が登場しますが

サイズはともかくあちらの方がまだかわいい顔をしている気がします(汗)

 

また、本記事のタイトルはこのクモのことを指していますが

同名の漫画作品が存在し、雛形あきこ主演でちょっとHなドラマ化もされています。

もちろん、今の10代は(多分)知りません……。

へたすると雛形あきこが元グラドルであることすら知らないかもしれません……。

 

 

 

今回の記事は山野草をメインとしていたため、動物の登場数が極端に少ないです。

ただし、後編の自然生態園では春の野山ならではの生きものが色々登場します。

 

 

≪後編に続く≫