冬には長い火を

冬になると現代の文明、その真っ只中に居ても暖かさが恋しくなる。ましてサバイバルにおいては暖かく保つというのはどれほど心理的、肉体的に重要であることか。冬の寒さは生きるための暖かさについて思いをはせるのにちょうどよいだろう。

さて、サバイバルで暖をとるならば、すなわち火を焚くということになろう。焚き火というのは薪(たきぎ)に火をつけるだけとはいえ、自然物を相手にするもので、画一的な燃料を利用するものとは違う奥深さ、複雑さがある。そして、均一ではないその燃料の性質を利用することで、目的を達成することも出来る。いわゆるlong fireというものがあり、これは薪そのものの性質を発揮させることが必要な焚き火である。

long fireは直訳すると長い火である。これは、大抵のところ構造的に横に長い火であると同時に、時間的に長時間燃え続ける火であるという2つの意味を持っている言葉である。方式は色々あって、積み上げ方を工夫したり、土を乗せてみたりと本当に様々工夫するのであるが、今回は使う燃料の太さと長さをうまく使う、それだけの方式の動画を紹介しよう。

さて、動画中の解説は風で聞き取れないところもあるが、つまるところやっていることは少しずつ火を大きくして、薪を太くする焚き火である。横長の炉を太い木を枠にして作り(太ければ太いほど燃え難いので燃焼を制限するのに役立つ)、その中で焚き火を開始する。この焚き火を少しずつ勢いを強めてより太い薪をくべていくのだ。太い薪はその外周から燃えていくために長時間燃え続ける。よって十分に太い薪に着火することが出来れば一晩中燃やし続けることも可能なのである。