ザウルスの法則

真実は、受け容れられる者にはすがすがしい。
しかし、受け容れられない者には不快である。
ザウルスの法則

インチキ動画 「この地球に山や森は存在しない」(後篇) の診断書  

2017-05-14 00:46:29 | 宗教、オカルト

インチキ動画 「この地球に山や森は存在しない」 (後篇) の診断書

 

 

前篇では、「アメリカ、ワイオミング州のデビルズタワーは巨木の切り株である」 という主張であった。

デタラメ動画 「この地球に山や森は存在しない」(前篇)のトリック  

しかし、後編ではさらに一般化して、世界中のメーサ(卓状台地)は、すべて “巨木の切り株” であると言いだす始末である。

しかし、前篇においても仮りにデビルズタワーが切り株だとしても、誰がどうやって元の巨木を切り倒したのかについて、視聴者は何も聞かされていないままではないか?そして、この後編でもわれわれは最後まで誰がどうやって巨木を切り倒したのか教えられないままに終わる。

これでは、“メーサ切り株説” じたいが成立しているとは言えないことになろう。その説に最後まで耳を傾けていても、肝心な点が何も聞こえてこないのである。 どうやら、単にこの動画作者の想像力のキャパシティに原因があるだけのようである。

 

さて、作者は、地球上の多くのメーサをめぐり、それらがみな “切り株” であると豪語する。

 その途方もない説に疑念を抱く者は、映画 「マトリックス」 のように頭脳をすっかり支配されているからだと逆に説教されることになる。

しかし、我々の知るふつうの切り株の断面が円形もしくは楕円であるのに対して、“巨木”の断面のはずのメーサが円形もしくは楕円であることは滅多にないのだ。

当の動画以外の、以下のふつうのメーサを見れば、実際には鋭角的な多角形、不定形が通例である。樹木の断面としては、いくら巨木でもありえない形状である。

 

 こういったメーサ(卓状台地) は世界で100以上あるそうだ。逆に言うと、切り株はたったの100個程度なのか?そもそも切り株だけが残っていて、切り倒されていない巨木が一本もないというのは不自然ではないか?

 

 さて、いかがであろうか? 樹木の切り株に見えるであろうか?しかし、これがふつうのメーサである。

 

要するに、デビルズタワーは例外だったのだ。 長い不定形がふつうなのである。断面が長い樹木?これらの写真は mesa で検索すれば簡単に出てくるものである。この動画作者がなぜこんな見事なメーサの写真を使わなかったのか冷静に考えていただきたい。

誰が見ても樹木の切り株にはとても見えないからである。自分の “メーサ切り株説” に都合が悪いものは間違っても出さないようにしているのである。

樹木の一個の生命としての完結性がない。だらだらと長く、いったいどんな年輪になるというのであろうか?

はっきり言って、「切り株には全く見えない」 と言える。まともな人はそう言うだろう。

切り倒される前だったら、よほど平たくて壁のようにそそり立っていたことになるだろう。しかし、平たい壁のような樹木をあなたは見たことがあるか?そんなものが存在すると本気で思うか?

 

作者の言う “小型” の高さ6キロの巨木どころか、1キロでもすでに、てっぺんの葉までの水分の供給は不可能であろう。物理的に無理であると言える。“メーサ切り株説” は科学的常識に反する単なる妄想の産物と言えそうである。 

 

前篇のデビルズタワーは非常に例外的に頂上が比較的円形に近く、ある意味では、“メーサ切り株説” には、非常に“理想的”なモデルだったのである。

しかし、デビルズタワー1つで話を終わらせるわけにはいかなかったようだ。そりゃそうだろう。“メーサ切り株説” を一般論として主張しているのだから。

 

 

ロシアにはもともと 巨木伝説 があって、作者はどうやらそれに取り憑かれて、妄想を膨らませているようだ。

 

しかし、この作者は誇大妄想に駆られるばかりで、ディテールの整合性や “詰め” をおろそかにするきらいがある。

フィクションでもよくできていれば、それなりに評価するにやぶさかではないが、この “巨木の切り株物語” はとにかく話が雑で、リアリティーが非常に希薄である。こんな動画に感動する人間がいるとは、失礼ながら驚きである。

   

 動画の作者、ウクライナのマネス氏

 

ここで、動画の作者は、メーサの写真は斜め上から見て、なるべく断面のl形状が鋭角的に見えないものを選んでいる。また、いっそのこと、上からの航空写真はやめて地上からの遠景のシルエットを使って、断面の形状がいっさいわからないような写真を使ったりしているのだ。

“メーサ切り株説” に都合の悪い、長く不定形のメーサのほうが実際には多いので、動画作者は写真の選択にさぞや苦労したに違いない。

 ごまかしの画像の羅列はこのくらいでいいだろうか。

 

これらが典型的なメーサ(卓状台地)である。

この動画の作者が決してわれわれに見せようとはしない普通のメーサである。

これが “巨木の切り株” だと?

馬鹿も休み休み言えー!!

 そもそも誰がどうやって切り倒したかも言ってないのだ!

当たり前だ!言えるわけがないだろ!

 

“信者たち” よ、いい加減に目を覚ませ!!

 

さて、これらが切り株だとしたら、切り倒されなかった巨木はどうなったのか、という疑問がいやでも出てくる。

 それに対して「他の森はすべて爆風で破壊されてしまったのです」 という意味不明な答えが与えられる。

 は? 「爆風」? 

地球上の高さ6~100kmの巨木の森をすべて 破壊するほどの 「爆風」 とはいかなるものか?そもそも 爆“風” でそれだけの巨木が 破壊 されたと 言う人間 も、それを 信じる人間 も、現実的な想像力を全く欠いている と言わざるを得ない。たとえウソでも、もっと現実味のある説明をしたらどうなのか?

 さらに、「折られた木の姿」 が以下のものだと説明される。

 

 これほど幼稚なアナロジートリックがあるだろうか? 

「一見似ていれば、同じ」  というのは “幼児の論理” である。

ある意味で視聴者はそうとう馬鹿にされている。

 

 

 これで納得する大人は、幼稚園児と変らない!

そう、そう、あなたのことだよ!

 

 

 高校くらい卒業していれば、上の図のプレートテクトニクスの初歩はわかるのではないか? 

 

思い出していただきたい。この動画の作者は、「メーサは切り株だ」 と主張していて、その例として デビルズタワー を挙げた。   違うか?

そしてデビルズタワーの 柱状節理 の六角形を根拠に、植物起源 であると主張した。   違うか?

「デタラメ動画「この地球に山や森は存在しない」(前篇)のトリック」
 
しかし、柱状節理のメーサは例外なのだ。以下のふつうのメーサはどれ一つとして柱状節理ではない。

にもかかわらず、すべてのメーサが “切り株” だと言っているのだ。 “植物起源” だと言っているのだ。 

 

柱状節理ではない、ただのメーサ(卓状台地)

 ここには “誤魔化し” がある。 違うか?

“信者たち” よ、いい加減に目を覚ませー!!

 

 

 さて、そもそそも何の 「爆風」 で折れたのだ?

 

すると、いきなり 「1780から1815年の間に核戦争が起きます。 」  と言いだす。 “証拠なしの言いたい放題” の再開である!

ちょっと待ってくれ、フランス革命は1789年だぞ!

1815年はワーテルローの戦いだ!

 フランス革命とワーテルローの戦いの間に 「核戦争」? いくら何でも、150年早いんじゃないか?そもそも、そんな記録がどこにある?

 

そして、それによる 「核の冬」 が原因で、1816年の 「夏のない年」 が起きたと語られる。

 

たしかに1816年に急激に北半球が冷え込んで 「夏のない年」 になったのは歴史的事実だ。 

しかし、太陽活動の低下と、アジアでの火山の大噴火による日照量低下によってすでに十分に説明されているのだ。

これらではなくて、核戦争が原因だと言うのなら、聞いてあげるから、その状況を説明してみたまえ。

ワーテルローの戦いは 「核戦争」 だったのかい?

ワーテルローでなくてもいいから、どこの国の核兵器だったのか言って見たまえ。

しかし、作者は、ベラルーシで核爆発があったと言うだけで、この話は終わってしまう。

なるほど、“ロシア製の核兵器” だったと言いたいのか、このロシア人の作者は。

ロシアが “世界最初の核兵器保有国” “核兵器使用国” だったと言いたいのか?

 

しかし、当時のベラルーシがどこの国から核攻撃を受けたのか、なぜ受けたのかについては何一つ語られることはない。残念ながらどうも、この作者は想像力に欠けるようで、話がブツリ、ブツリと切れてしまう。

この話もけっきょく一連の “ホラ話”、 “証拠なしの言いたい放題” の一つ である!

それはそうだろう。この作者はあまり頭がよさそうではなく、ホラ話もすぐにネタが尽きるようだ。メーサ切り株説も、爆風も、核戦争も、核の冬も、説得力のある説明のないまま、自分の能力も顧みずに言い出しては、続けられない。どれも尻切れトンボではないか?

どうせ言うのなら、もっと一貫性とリアリティのある面白いホラ話にしてくれ。すぐに途切れてしまうホラ話なら、やめたほうがいいだろう。

前篇で “メーサ切り株説” が出てきて、後編ならきっと 「誰が、どうやって?」 を聞けるかと思いきや、見事に裏切られる。 それどころか、後編では、もっと無責任な展開になってくる始末だ。

 

わが日本の名山、富士山 が出てくるのだ。しかし、こうした、とても “切り株” には見えないような“困った” 円錐形の場合は、言うに事欠いて、なんと 「廃棄物を積み上げた巨大な堆積物」 と説明される。  

 なるほど。 で、誰が積み上げたの?人間?エイリアン?

そして、これだけの量の廃棄物を運んで積み上げるために、「巨大な機械」 が稼働したのだそうだ。   なるほど。 で、いつの時代に? 江戸時代? 昭和?  その 「巨大な機械」 は今どこに?

そうした廃棄物には化学廃棄物も含まれ、やがて 「化学反応による爆発」 をするが、科学者たちは、それを 「火山の噴火」 と思い違いをするのだそうだ。  なるほど。 それなら、噴火よりも、有毒ガスや水質汚染がすでに大規模に発生しているはずではないか?

ここでもまた、“証拠なしの言いたい放題” である!

“お粗末なホラ話” の連続である!

 

作者なりに一応 “辻褄合わせ” をしているようなのだが、どれも “詰め” が甘くて、フィクションとしても全然面白くないのだ。

 

“メーサ切り株説” もけっきょく 「誰が、どうやって?」 の説明のないまま、いつの間にか 「鉱石採掘機」 のホラ話にすり替わってしまう。作者の中途半端な性格がうかがえる。

メーサ切り株説、 爆風による地球の森消滅、 核戦争・・・ これらのどれにもまともな裏付けも、証拠も、納得のいく説明もない。

“証拠なしの言いたい放題” のホラ話の連続である!

 

診 断 書

 

 

この動画に 「衝撃を受けた!」 とか、「目からウロコだ!」 とか言って感動している人間は、以上のさまざまな話を、歴史的事実だと思っているのだろうか? この作者の言うことをすべて本当だと思っているのだろうか?

信じてもいないで 「衝撃を受けた!」 「目からウロコだ!」 と言っているとしたら、相当あたまが混濁していると言える。

信じているとしたら、「前篇」の記事からもう一度じっくりと読み直して “デトックス”(解毒)する必要がある。

 デタラメ動画 「この地球に山や森は存在しない」 (前篇) のトリック  

 

さて、一番の根幹であると思われる、 “メーサ切り株説”に戻るが、けっきょく誰がどうやって高さ6キロから100キロの巨大な樹木を切り倒したのかの説明は最後までなかった。ホラ話が大きすぎて自分でも手に負えなくなったので放り投げたとしか思えない。

けっきょく、これは単に作者が自分のキャパシティを超えて大風呂敷を広げたのはいいが、ホラ話の後が続かなくなってしまっただけと考えられる。

爆風や核戦争の話も同じように尻切れトンボに終わっている。ストーリーテラーとしての才能には相当無理があると言える。

 

動画作者マネス  と  怪僧ラスプーチン

この動画を肯定し、支持、賛同、賛美、推奨する人間は、事実とホラ話の区別がつかず、そして、科学とオカルトの区別もつかない、混濁した頭脳の持ち主である疑いが濃厚である。

論理的に物事を考えることができないということである。幼稚園児である。

自分の判断、言動に責任を持てない幼児的な人間であると、はっきり言える。“証拠なしの言いたい放題” のホラ話を受け入れ、広める人間は社会にとって有害である。

もちろんこれは、この動画の作者にもそのまま当てはまる診断である。 

 最後に一言: この作者と、この動画のファンたちの知的レベルは、宮崎県の“鬼の洗濯板” のホラ話を真に受けている幼稚園児と変わらない。

                                     

                                     以 上

 

 「インチキ動画批判記事」 の挑発に食いついてきた信者の長文コメント

デタラメ動画 「この地球に山や森は存在しない」(前篇)のトリック  

 重要! オカルトは宗教である: 教祖がいて、信者がいる: はやし浩司の場合

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121 コメント

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ノーフォレスト (Unknown)
2017-05-14 13:53:35
いつも動画を楽しみにしております。
真実を知りたい気持ちが、
ノーフォレストを誤認してました。
もしかすると的な考え方なら、
ありかも知れませんが、
仰有る通りハナシが強引でしたね。
これからも期待しております。
頑張って下さい。
Unknown さま (ザウルス)
2017-05-14 15:41:14
このデタラメ動画 は無害そうに見えて、非常に有害である。変なものを飲ませるインチキ療法みたいなところがある。健康にいいと思って気にとめない人も多いが、精神の健康を大いに損ねている。
一度でもこの動画 「この地球に山や森は存在しない」 を観てしまったひとには、ザウルス特製の2本立ての記事をできるだけ早く読んで “デトックス” することをお勧めしたい。解毒効果と頭脳明晰化の作用がある。

併せて 「オカルトは宗教である: 教祖がいて、信者がいる: はやし浩司の場合」
http://blog.goo.ne.jp/zaurus13/e/8ad35c81be8a536179b1affcfc21509a
も服用することをお勧めする。
真実が尊ばれています (たきやま よしかず)
2017-05-14 23:15:45
ザウルス様のブログが紹介されています。
シャンティフーラの時事ブログ(2017/05,14/
10:35) 竹下雅敏氏からの情報。
『「ザウルスでござる] インチキ動画 :「この地球に山や森は存在しない(後編)」 の診断書 』
私の意見は述べません、どうぞご覧になって下さい。
感情論要らない (Unknown)
2017-05-15 00:35:51
論証は冷静に。

論証の対象者に対する人格否定、批判を連ねている時点でキミの負けだと思うよ?(笑)
たきやま さま (ザウルス)
2017-05-15 05:51:30
ご報告ありがとうございます。竹下雅敏氏の冷静、客観的な判断にはいつもながら敬服しております。
感情論要らない   さま (ザウルス)
2017-05-15 05:56:17
あなたはこの問題の動画のファン “だった” のでしょうね。この動画が完膚なきまでに否定されているので、さぞやショックだったことでしょう。
しかし、早く目が覚めただけよかったのではないでしょうか?
ああ良かった同じ意見の人が居て (EllE_NiNe)
2017-05-15 12:38:33
実はつい一昨日 YouTube の動画でこの節を支持している人の動画を見てこのロシア人の動画を見ました、余りにも馬鹿馬鹿しい内容だったのでコメント欄にちょっとキツイ意見を投稿してしまいもうちょっと柔らかい表現にした方が良かったかな? と思っていたやさきにこの記事を見つけたので自分と同じ意見の人が居て安心しました。
EllE_NiNe さま (Unknown)
2017-05-15 12:55:11
あなたが正常なのです。まともな考え方をしているのです。証拠なしの言いたい放題” の言説を受け入れ、広める人間は社会にとって有害です。

たしかに既存の科学は万能ではありません。科学で説明できないこともたくさんあります。しかし、ほとんどのオカルト説は科学以前に、論理的におかしなことを言っているのです。論理的飛躍、論理的矛盾、論理的すりかえ、類似=同一のトリック 等々です。
それらは冷静に見れば、どれも幼稚なトリックですが、幼稚な人間を騙すには十分なのです。
そんなボロクソに言わなくたって (Unknown)
2017-05-16 07:51:12
そんなボロクソに言わなくたっていいじゃないですか。ホラ話だの、幼稚園児だの、とひどすぎます!この動画をすなおに受け止めていたひとたちの心を踏みにじっています。あなたの人格をうたがいます。
そんなボロクソ さま (ザウルス)
2017-05-16 08:59:30
「デタラメ」 と 「インチキ」 の2つの記事をきちんとごらんになられたようですね。
この2つの記事はデトックス用に特別に調合してあり、特に解毒作用を最大限にするために成分を強化してあります。服用直後には、多少不快な副作用があるかもしれませんが、じきに収まります。
デトックスには1週間ほどかかるものとお考えください。それを過ぎますと、今までにないほど気分爽快になるはずです。保証致します。

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