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かまやつさんと30年越しのアルバムづくり 「遺作」に

3年前の年の瀬。音楽プロデューサーでミュージシャン、井上日徳(にっとく)さん(53)のフェイスブックに突然、メッセージが届いた。
 《お元気ですか? 昔ご一緒に綴(つづ)ったテープ聴いてます♪》
 もう30年近く会っていない。なのに、人なつっこい笑顔が目に浮かんだ。あの音楽アルバム、復活させたいのかな。
 一緒にアルバムづくりをはじめたのは1986年。井上さんは編曲を担当したが、しばらくして話はお流れになった。駆け出しの井上さんには理由もよく分からないまま。音源のカセットテープは、自宅の段ボール箱にしまいこんだ。
 メッセージをきっかけに、昨年5月、再会した。待ち合わせ場所は東京・浅草の雷門。ふた回りほど年上のかつての仲間は、肩までの茶色い髪をなびかせてやってきた。
 近くのそば屋に入り、井上さんにアルバム制作をやり直したいと言った。そして、続けた。「実はがんなんだよね」。テレビのままの淡々とした口ぶり。「最後の作品になっちゃうかもしれないんだよねぇ」
 絶対に形にしなくちゃならない――。スタジオでの収録に取りかかった。かつてグループサウンズで活躍した歌い手は、少し痩せた体でマイクに向かった。
 2時間ほどかけて2曲を歌いあげた後、独り言のようにつぶやいた。「もうちょっと、うまく歌えないかな」
 3カ月後、井上さんは完成に近づいたアルバムを送った。体調は良くないはずなのに、すぐにメッセージが返ってきた。
 《素晴らしいです♪ 30年前振り返りながら 涙が溢(あふ)れ出てきます》
 昨年12月、アルバム「雷門Project」が発表された。そして今年3月1日、ムッシュかまやつさんは78歳で亡くなった。この作品が「遺作」になった。
 なぜ、アルバムづくりの再開を望んだのか。かまやつさんは、詳しくは語らなかった。
 井上さんは今も、かまやつさんの曲の演奏を続けている。今月21日、東京・四谷のライブでも歌う。(阿部健祐)

http://digital.asahi.com/articles/ASK8G465QK8GUTIL019.html?_requesturl=articles%2FASK8G465QK8GUTIL019.html&rm=338

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