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「未来を花束にして」

2017-01-27 | 過去に観た映画
100年前の英国で実際に起きていた、女性参政権を求め過激なテロ
を繰り返すサフラジェットに身を投じた労働者を主人公にした物語。
実在した人物や事件が登場するが、主人公は架空の人物なのらしい。
幼い頃から洗濯女として働いてきたモードは友人の代理で公聴会に
出席したことから政治に目覚め、別の生き方を模索し始めるのだが、
この時代でなくとも幼少期から抑圧された生活の中で世間を知らず
に育てば新しいものや過激なものに対して目を見開く時がくるもの。
当時の女性の立場からすれば、なんの権利も与えられずに酷い扱い
を受けていたことは確かなので賛同する人々も多かったことだろう。
とはいえ、それによって夫に家を追い出され、子供も取り上げられ、
自身の生活を捨ててまで過激運動に突っ走ることになってしまった
モードの生き方に観客は賛同できるだろうか。やりたい仕事がある
のは素晴らしいことなのだが、家族を築けば責任というものがある。
何度も投獄される母親や妻を家族はどんな思いで受け止めていたか。
それが善行だと信じる裏には犠牲が生じていることをキッチリ描き、
過激派に肩入れしない演出はいいのだが、結局のところ、ある犠牲
によってこの訴えが認められた(映画では)という終わり方になって
いるのはやや勿体ない。実際にはこの後まだまだ苦労が続いたのだ。
こういう映画を宣伝するのは難しいと思うが、タイトルとポスター
からでは彼女らの心意気や過激なテロ同然の爆破など想像できない。
最近になってから女性参政権が認められた国々が未だにあるという
事実をエンドロールで知ったのが今作を観た中で一番の衝撃だった。

(メリルが登場するのはほんのちょっと。彼女が率いていたのにねぇ)

★★★★

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