議会の一員である議員として行政に「要望」するのはどこか腑に落ちない件 | 重冨たつや(地域政党あしたの川崎)公式ブログ

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市民が安心して市政を託せる市議会を目指して活動中です。選挙があるときもないときも、議員活動の見える化が重要だと思います。地方議会はなかなかメディアで取り上げられませんので、少しでも身近に感じて頂けるように情報を発信していきます!

今日は事業などに関わることではなく、普段私が考えていることを少しだけぼやきたいと思います。

 

今日のキーワードは「要望」です。

 

議会や委員会では、議員が質問の最後に「要望」することがよくあります。

 

議員「この案件についてはどう考えているんですか?」

職員「○○と考えています」

議員「○○も間違っているとは言わないけど、△△の視点が抜けているんじゃないですか?△△も明記するように要望しておきます」

 

議員の「要望」がどれだけ行政を動かすのかはわかりません。

 

もしかしたら裏ではものすごい威力を発揮しているのかもしれません。

 

そもそも議会用語での「要望」と私が考える一般的な「要望」は違うのかもしれません。

 

しかし議会と行政(首長)が市民からそれぞれ直接選ばれていることを考えると、

 

私は、議員が行政に対して「要望します」というのは、市民に対しても職員に対しても恥ずかしい発言のような気がしています。

 

市民が何を議員に期待していると考えるかにもよりますが、

 

もし市民が議員に「まちの未来(方向性)を提示してくれること」を期待しているのだとしたら、

 

その議員が、行政の考えたまちの方向性に「要望」するだけの存在ではあまりにも情けないと思うのです。

 

そして職員からしたら、「要望」で引き下がってくれることほど楽なことはないような気がします。

 

職員に、「私たちを説得させられるだけの「思い・根拠」がないから引き下がるんだな」と思われても仕方ありません。

 

ということで、私は徹底的に事前準備することができる本会議はもちろん、

 

事前準備が困難な委員会でも「要望」ではなく「意見・提案」することにしています。

 

(委員会資料が事前にもらえない問題はこちらのブログをご覧下さい)

 

「要望」と「意見・提案」。何が違うのかというと、、、発言している内容はほとんど同じかもしれません。

 

それでも私が意識的に「要望」を使わないのは、議会が本来持っている力を軽んじないためです。

 

「要望」という言葉を使い続けることで、議会の一員である私が議会の本来の力・機能・使命を忘れてしまうことは非常に怖いことです。

 

こんな偉そうなことを言っても、仲間がいないがためにまだまだ議案すら出せない私ですが、

 

いつか本来の力・機能・使命を全うできる日が来ると信じて、

 

初心を忘れないように、これからも「要望」という言葉を意識的に避けていきます。

 

ちなみに議論のテーマを議員が設定し、事前準備が完璧にできる本会議での「要望」は、

 

すでに裏で政治的、建設的な決着がついている「要望」と、

 

委員会同様に思い・根拠が希薄な「要望」の2種類があると思っています。

 

大学生のときに本会議に傍聴に来たことがありましたが、

 

本会議での「要望」はかなり残念な気持ちになりました。

 

繰り返しになりますが、議員によっていろいろなタイプの「要望」があるのでしょうし、その裏でどんな効力を持っているのかはわかりません。

 

それでも、傍聴していたときに「要望」という言葉を聞いて「あっ、もう引き下がるんだ」と残念に思ったことを忘れないようにして、

 

自分がこれだと信じたことについて「意見・提案・説得」を続けていきたいと思います。