主訴:腰部の右側に生じる腰痛

40代後半の男性会社員の方が、腰痛を訴えて来院。2日前から腰痛は腰椎に沿って右側の筋肉が、立ち座りや歩き始めなどの動作のし始めで、釣れるようにピキッと激痛が走る。 同じ姿勢で動かなければ痛くないし。ずっと歩いたり、座ったりしている分には痛くない。

腰痛の経緯

痛み出したのは二日前未明、トイレに起きて少し前かがみになった時に腰がビキッとなって痛みが走った。痛みは夕方になるとひどくなり、近所の整形外科を受診。レントゲンの画像所見では、「骨のトゲがある」とだけ言われ、湿布と痛み止めを処方された。その翌日、痛みは前日より弱まったが、立ち座りなどの動作になると激痛が走るので、当院へ来院。

腰痛の検査

痛みの発生部位は強く緊張している右腰部の多裂筋。前後屈や側屈などの動作をチェックすると、前屈と後屈と右への側屈で痛みを訴えるが、左への側屈では痛みがない。また、座位で同じように前後屈と側屈を行うと前後屈では痛みを訴えるが、側屈での痛みはない。原因が多裂筋であればどのような動作でも痛みを訴えるはずなので、原因は多裂筋ではないと考えられます。

痛みの発生部位である多裂筋は腰椎の安定に大きく貢献し、腰部で最も発達している筋肉です。多裂筋に問題が生じれば、腰椎の安定にも影響し、問題が生じます。なので原因が多裂筋でなければ同時に腰椎も原因から除外できます。

腰痛の原因:

そこで再び前後屈と側屈を行うと、前後屈に連動して生じる仙腸関節面での生じる頷き運動と起き上がり運動がない。また右側屈時には仙骨の側屈運動がない。一方、左の仙腸関節は問題なく動くので、先ほどの左側屈運動では痛みがなかったことと辻褄が合う。つまり、左側屈運動は左の仙腸関節面だけに運動が生じるために、痛みが出なかった。もしこれが多裂筋や腰椎に問題があれば左に側屈しても痛みが出たはずです。以上の事から腰痛の原因は右の多裂筋ではなく、右仙腸関節に生じた強いズレが原因です。

仙腸関節の問題と腰痛の関係

この仙腸関節で生じる頷き運動や起き上がり運動は(図1参照)、非常にわずかな運動ではあるが、骨盤にかかる負荷を分散させる働きがあり、更に、腸骨と仙骨がそれぞれ逆に回転することで骨盤を安定させる働きがあります。この動きがなくなると衝撃を分散させる機能が低下し、安定性も減少します。そして骨盤の安定性に依存して筋力を発揮するのが多裂筋です。


仙腸関節の運動
図1仙腸関節の運動※
※医歯薬出版株式会社「筋骨格系のキネシオロジー」より抜粋。

多裂筋の機能は腰椎を安定させる働きがあるが、この機能を十分発揮するためには土台である骨盤の安定が前提となります。つまり、骨盤が不安定な状態で前かがみになったことで負荷が多裂筋や腰椎の椎間関節に集中し、痛みが生じました。

施術内容:

施術は痛みと筋緊張を訴える多裂筋や腰椎へのアプローチは一切せずに、右の仙腸関節のズレだけを矯正し、あとは骨盤と関連が深い股関節や膝関節のゆがみを取る処置を行った。

結果と今後の計画:

施術が終了し、患者さんに前後屈・側屈・回旋あらゆる動きをしてもらうと、ほとんど痛みが無くなった喜んでいました。腰に関する施術はこれで終了。ただ、右膝に古傷がありこれが予想以上に悪く、結果的に右の骨盤のズレの遠因になっているのでこれを今後数回にわたりケアしてゆく。

コメント:

この手の腰痛は、腰部の多裂筋が緊張しているから揉んでほぐそうとする人が多い。しかし多裂筋をほぐすとその時は気持ちがいいが、 翌日には強く緊張し、余計に痛くなる。これを巷では揉み返しや好転反応と言っているようだが、揉み返しでも好転反応でもなくただの失敗です。


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