スパニッシュ・オデッセイ

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ロッテのサントス選手

2018-01-18 22:20:40 | 名前
  ユニークな選手をもらしていた。
 ロッテにシーズン途中に入団した、キューバ出身のサントス選手。WBCにキューバ代表としても出場し、走り打ちで有名になった選手である。
 
 フルネームは「ロエル・サントス・マルティネス」(Roel Santos Martínez)。個人名は「ロエル」のみ。ちょっとさびしい。「ロエル」という名前も聞いたことがない、調べてみると、結構 Roel の名の人物はいる。個人名に使われている場合は男性で、姓としても使われている。スペインでは5009番目に多く、父の父姓として使っているのが847人、母の父姓として使っているのが818人で、珍しい部類であろう。手元の『西和中辞典』を調べてみると、roel という普通名詞があった。紋章の専門用語で「青色の円形」という意味である。
 母の父姓の Martínez は「佐藤」、「鈴木」並みのありふれた姓で、スペインでは6番目に多い。日本のプロ野球選手にも何人かいたと思う。
 父の父姓の「サントス」(Santos)も珍しくはない。スペインでは44番目に多い。この姓はポルトガル語圏にもあり、世界的に見ると、絶対数で多いのは、ブラジルである。ブラジルには「サントス」という名の都市もあるし、「サントス・コーヒー」というコーヒーの銘柄もある。人口比で多いのは、やはりポルトガル語圏で、アフリカ大陸の西にある島国のサントメ・プリンシペ(São Tomé e Príncipe)で、意味は「聖トメと王子」である。スペイン語では“Santo Tomé y Príncipe”となる。Tomé はスペイン語では Tomás (英 Thomas)になる。
  
 Santos は普通名詞 santo (聖人 英:saint)の複数形である。英訳すれば Saints であるが、こんな姓は聞いたことがない。
 ところで、「聖○○」という場合には、普通、San という短縮形になるが、Tomás、Tomé、Domingo 及び Toribio の前では San にならないで、Santo のまま変わらない。女性の聖人の前では Santa と女性形になる。Santa María、Santa Clara、Santa Mónica、Santa Bárbara などであるが、宗教関係の女性普通名詞の前でもやはり Santa になる。例えば、Santa Fe(聖なる信仰)、Santa Cruz (聖十字)などである。
 「Santa Claus」 が男性なのは周知の事実だが、そのように命名したのは17世紀にアメリカに移民したオランダ人らしい。昔、現在のトルコに実在した「聖ニコラウス」がなまったものである。
 
 Santos 姓は結構多いので、みんながみんな「聖者」(santo)とは限らない。Santos 選手の人柄はどうだったのだろうか。写真で見る限りでは、悪人ではなさそうである。  
 

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