マカオを出て中国本土に入る。ここは広東省珠海市である。
マカオは車は左側通行だったが、中国本土は右側である。中国本土では右ハンドルの車は通行できないのかどうかは知らないが、ここでレンタカーを借りることになっている。オフィスは徒歩15分ぐらいのところである。女房殿のいとこの家族は何度も来ているのだろう。出入国管理事務所を出ると左の方へスタスタ歩いていく。小雨が降っているが、傘をさすほどでもない。道も広く、車も多い。信号もちゃんとあるし、見る限りでは車も信号を守っている。
やや脇道に入ったところに目指すレンタカーの会社があった。
前日から全然お金を使わせてもらっていないので、ここのレンタカー料金の支払いはこちらで持とうと思ったが、VISA のクレジットカードは扱っていないとのこと。しかたなく、女房殿のいとこの息子に払ってもらった。
車は5人ゆったり乗れる大きな乗用車である。手続きを済ませて、出発する。珠海の市街地は車も信号も多く、なかなか進まない。やっと抜けると、高速道路に出た。ETC があるのかどうかはわからないが、高速の入り口でチケットを受け取る。
高速に入ると順調である。だんだん標高が高くなってきたようだ。山も見えてきた。雨はやんだようであるが、遠くの山は霧に煙っていて、水墨画のようである。
川もいくつか越える。
左手には高速鉄道が走っているのも見える。
高速道路沿いの高層ビルの壁に「俊朗○○」という看板も見えた。「俊朗」という名前の友人がいるが、まさか彼の会社ではあるまい。日本人経営の会社の可能性もあるが、中国語の普通名詞の可能性もある。そのときは調べがつかなかったが、帰国してから調べてみると、「俊朗」という中国語の形容詞があった。「目鼻立ちが整い、朗々とした声をもっている」という意味である。「俊朗」さんは中国ではいい名前である。
まだ、目的地の広州市には着かない。この看板のあたりは中山市であろう。
「中山」とは「孫中山」のことで、国民党も共産党も国父として扱っている。孫中山はこの辺りで生まれている。中山がつく地名は中国や台湾各地に多く見られる。
孫中山は日本では「孫文」という名前で有名である。
【孫文(孫中山):ウィキペディアより】
「中山」という号は日本人の姓「中山」に由来するのだが、詳しくはリンクをご覧いただきたい。
この中山さんはそんじょそこらの中山さんではない。中山忠能というお方で、明治天皇の外祖父に当たり、大正天皇の養育係も勤められている。
【中山忠能:ウィキペディアより】
ということで、中国における最高の日本人の名前は「中山俊朗」ということになろうか。
ちなみに、最低の日本人の名前は「米田共」である。何故そうなのかは、この名前を縦書きにして圧縮するとわかるはずである。
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