詩の現場

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空は水色とは限らない…

2017-04-25 | フリー Poem
毎夜、続く物音だが
今夜はもう遅い、
古いコイン集めもしないし
銅鐸の謎も
錆びた鉄の夢も砕かれつつ
星の下に眠る
スピーカーから流れてくる曲は
理由もなく今日の一部分となったが
自分を形成する記憶とは異なる音であればあるほど、
そのすぐ横に
すでに、私のもう一つの萌芽が始まり
加速させた
水道の蛇口へ向かう
1日の目的は集約される
本当は今日も1日、水のことを
考え続けていたかったのだ
屋根から落ちる1滴が
水槽の中に広がり、
しだいに四角い水になることについて
水の形を空へ谺させる方法について
新しい水がここにあると
大きな声で、伝えるために
きっと朝になると、
人が手にするマグカップは灼熱色した
コーヒーへの夢で満たされる
誰かが呟くたびに、水は変貌し
夢とはそういうものだと
また、誰かが声を重ねる
空は水色とは限らない、
光が洩らす音色であって
待ちわびるものたちに 降りそそぐ
生きるとは、
花々が、一花一花に
頬笑のような謎を包みながら
咲き出していくことのよう
水は心のうち側を濡らし
空へ巡る


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