日々楼(にちにちろう)

古今東西・森羅万象の幾何(いくばく)かを、苫屋の住人が勝手御免で綴ろうとする思考の粉骨砕身記です。

中学生・高校生のための自由主義講座 5 -社会契約 2 アメリカ・リンカーン大統領のゲティスバーグ演説-

2016年07月22日 | 日記

社会契約 2 アメリカ・リンカーン大統領のゲティスバーグ演説

 

A.社会契約 2

 

1.今日は、アメリカが南北戦争のただ中にあった時、合衆国第16代大統領であるエブラハム・リンカーン大統領がゲティスバーグで行われた演説 “The Gettysburg Address” を取り上げます。

 

2.奴隷とされる人達は、古代より、戦争、債務、奪略、奸計、その他の手段によって自由を奪われ、売買の対象とされます。これは現代も続いています。

 

3.アメリカ合衆国が実施した奴隷解放と、その時の合衆国・16代大統領、エブラハム・リンカーン大統領が、1863年11月19日にゲティスバーグの戦場で行われた演説 “The Gettysburg

Address” は、人類が―思うに人類がある限り―引き継いでゆかなければならない社会契約です。

 

4.以下に、原文と訳文を掲げます。原文はリンカーン大統領の署名のあるBliss Copy(1864年)を使用します。出所は、Web上の“Abraham Lincoln Online”と“WIKISOURCE”で、文は同じです。

はこのブログの作者が行いました。文意は伝わると思いますが、参考に留めてください。当時を思い浮かべながら、自分で訳してみてください。リンカーン大統領の思いも感じ取ってください。共

できれば、幸いです。

  

B.The Gettysburg Address

 

1.原文

Bliss Copy (1864)

 

Four score and seven years ago our fathers brought forth on this continent, a new nation, conceived in Liberty, and dedicated to the proposition that all men are created equal.

 

Now we are engaged in a great civil war, testing whether that nation, or any nation so conceived and so dedicated, can long endure.

 

We are met on a great battle-field of that war. We have come to dedicate a portion of that field, as a final resting place for those who here gave their lives that that nation might live. 

It is altogether fitting and proper that we should do this.

 

But, in a larger sense, we can not dedicate -- we can not consecrate -- we can not hallow -- this ground. 

The brave men, living and dead, who struggled here, have consecrated it, far above our poor power to add or detract.

 

The world will little note, nor long remember what we say here, but it can never forget what they did here. 

It is for us the living, rather, to be dedicated here to the unfinished work which they who fought here have thus far so nobly advanced. 

It is rather for us to be here dedicated to the great task remaining before us --

that from these honored dead we take increased devotion to that cause for which they gave the last full measure of devotion --

that we here highly resolve that these dead shall not have died in vain --

that this nation, under God, shall have a new birth of freedom --

and that government of the people, by the people, for the people, shall not perish from the earth.

Abraham Lincoln

 

2.参考訳文

 ブリス コピー(1864年)

87年前(アメリカ独立戦争)、私達の父祖は、すべての人は平等に作られているという、(神の)命題に(身を)捧げ、自由を心に共に取り入れ、この大陸に新しい国家をもたらした。

今、私達は、その国家が、或いは、どのような国家が、そのように自由を心に共に取り入れ、そのように(神の)命題に(身を)捧げ、長く耐えることができるかどうか試される(テストする)偉大

な市民戦争(南北戦争)に従事(従軍)している。私達は、その戦争の偉大な戦場に立ち向かっている。私達は、国家が生き永ら得るであろうこと、そして、ここで彼らの命を捧げた人達のための最

後の休息の場所としての戦場の運命(に身を)を捧げるためにやって来た。私達がこれをなすべきことはすべからくあり、ふさわしくある。

 

しかし、より大きな自覚において、私達には、この地を、聖地として別にし、清め、聖化することはできない――(それは)、ここで、生き、そして、死に、闘った勇敢な者達が、私達のわずかに増

減する乏しい力量を遥かに超えて、この地を聖なるものとする。

 

世界は、私達がここで述べているところのものに殆ど注意を払わず、長く記憶にとどめてもいない。だが、彼らがここで行ったものは決して忘れることはない。むしろ、ここで戦った彼らが、かくも

気高く遠大に前進させた未完の任務に、ここで身を捧げるべきは、生者である私達である。私達の前に残されている偉大な任務、――これらの名誉ある死から、私達が、彼らがここで最後の献身の限

りを尽くした目標(理想)に対し、いや増す(更なる)献身を引き受けること、――そして、私達がここで、これらの死を決して無駄死ににしないことを大いに決意すること、――この国家が、神

もとで、自由の新しい誕生を手に入れると、――そして、人々の、人々による、人々のための政治を地球から消滅させないこと、――に身を捧げるべきは、私達である。

                                                                                          

 アブラハム・リンカーン

 

 C.社会契約とはどのようなものか?

 1.リンカーン大統領の演説を読んで、人類が共に共有する社会契約とはどのようなものか、考えてください。

 

このブログを読んで、「参考になった」と思ってくれる中学・高校生は、友人や知人に

この記事を紹介してください。そして考えてください。

 

7月31日は、東京都知事選挙の投票日です。

選挙権のある人は、自分で考え、投票してください。

  

文責:前田子六(正治)

メールアドレス:shouji_zen@ybb.ne.jp

 

                 

夏の空

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